ダイレクト.ボンディング その2


 盛夏の盛りのお盆の
お墓参りを済ませたと思っていたら
もう、秋の彼岸である。

 猫の額の様な
平野とは名ばかりの
讃岐平野を
東に向かって
車を走らせた。

 大きく開けた
助手席の窓から
マリリンが半身を乗り出し
快走する車の風を
受けている。

 碧眩しい稲穂の中に
薄紫の秋桜が
柔らかな風に揺れていた。

 先祖の墓に
祈りを捧げ、
暫くの間
高台から街を
見おろしていた。

 瞼に映る風景は
幼い頃より変わっていないが
当の瞼の持ち主は
確実に歳をとっている。

 先のブログで
其のタイトルを
ダイレクト.ボンディングとしたのであるが、
話が飛んで、
肝心のダイレクト.ボンディングにまで
至っていなかった。

 此が、則ち老化現象である。

 金属アレルギーの方が居る。
歯科用金属が原因となって
アレルギー症状が発症する時が
在るようだ。

 在るようだとは、
私には、
その様な症例は無いからである。

 但し、理論的には
あり得る話である。

 廃価なるアクセサリーに
使用されているニッケルクロム合金。
此の合金が肌に触れただけで
北欧の人間は
全身に発疹が生じてしまう。

 人種的な特異性である。

 歯科で金属に曝される前に
大概は
日常生活の中で
金属に触れる機会が多いのだが。

 歯科の治療を受けて
いきなり金属アレルギーとは。

 本来で在れば
もっと精査が必要である。

 何故なら、その様な症例、
則ち、
患者さんから
自身が金属アレルギーだと
申告された全ての症例が
アレルギーではなかったからである。

 今流行りの審美歯科。
金属が見えない、
(これは本当である。)
金属がないから
アレルギーが起こらない。
此れは真っ赤な嘘である。

 何故なら、
ジルコニアには
眼にこそ見えはしないが、
其の成分の約半分は
金属である。

 何事にも敏感になるのも良いが
そこまでアレルギーが怖ければ
ダイレクト.ボンディングにて
修復するが良かろう。
(やっと、本題だ!)

 但し、
此のダイレクト.ボンディング。
余程、器用な歯医者でなければ
綺麗には治せない。

 長くなったので、
詳しくは、また今度。