ダイレクト.ボンディング


 大学院に入って二日目の事、
今から凡そ30年前の話である。

 指導教授の鞄持ちとして
上越新幹線に再び乗り込み
東京へと舞い戻った。

 アラバマ大学のカール.ラインフェルダー教授と
会うためであった。

 当時の私にとっては
教授が世界的権威である事を
知る余地もなく
但、今後の歯科医療の
方向性を予知される
貴重な経験であった。

 今ではインプラントの専門家の様に
云われている私であるが
当時の私の研究論文には
今で云う処の
審美歯科の代表選出である
オールセラミック修復が多いのは
ラインフェルダー教授の
影響を受けたのは
間違い無い事実である。

 今になって、
何処かのホームページや広告で
歯科金属アレルギーの方へと
ありがたそうに宣う中に
ジルコニア.クラウンを推奨するのに
触れて、
大いに其の無知に
頭を抱え込んで仕舞うのである。

 若いうちは
遠回りしても良いから
基礎の基礎を
確りと勉強しなければ
どこぞの馬鹿の様に
勘違いの気違い高じて
誤った治療の基になってしまう。

 人生は短い様で
矢張、長いものであるから
専門職につく者は
勉強だけは
ズーと、
続けなければ
即、引退するが
世の為である。