名月の夜の出来事


夕食を採りながら、時代劇専門チャンネルで昨夜から始まった

中村梅之助演じる【遠山の金さん捕物帖】を大いに満足して視聴する私は

娘たちの鋭い視線を感じながらも、無視を決め込むというよりは、

私の幼い時分に確かに観た場面の懐かしさにご満悦と言った処でした。

最近のことは直ぐに忘れてしまうのですが、

ー お江戸の空に春を呼ぶ、花も嬉しい遠山さく~ら~ ー

主題歌の歌詞もシッカリと覚えているのには、自分に感心したのです。

で、月曜日から金曜日の夜の7時からは諦めて、皆で金さんを楽しむように!と、

娘たちに言い聞かせ、あぁ面白かった!と、民放にチャンネルを変えれば、

懐かしのメロディではありませんが、

これまた、娘たちには全く理解不能な、私の若い時分の流行歌の番組が放映されておりました。

ー パパ!ずるい!次はみんなのに! ー

と、上の娘に説教されて、嫌々チャンネルを変えようとした瞬間に1

画面はCMに切り替わって、

麦酒のコマーシャルに森高千里が出ているではありませんか。

私は普段は民放は、全く観ません。

ケーブルテレビの時代劇専門チャンネルとAXNのみしか視聴しません。

ですから、今、何が流行って、誰が人気かも知りません。

しまった!と、

ー チョッと待て~い!コレが終わってから ー

コマーシャルのバックに流れる音楽は、娘たちもよく知っている唄でしたので辛抱してくれたのでしょう。

私は通勤中の車中では、常に森高千里のCDを流しています。

否応なしに聴かされて、娘たちの新鮮なる脳ミソには

森高千里の全作品は刻み込まれているに違いありません。

あれが、唄っているお姉ちゃんと私に聞かされたる娘たち。

ー 何処が? ー

ー ご本人も唄の歌詞で、私がオバサンになってもと、仰られているだろうが! ー

ピチピチしていなくなっても森高千里は森高千里。

普段は、日本酒かジャックダニエルだったけど、

これからはアサヒにするかと考えるのは、恐らく私だけではありますまい。

今は社会人となった一番上の娘が中学生の時に私に言った台詞。

ー パパは身体は大人で、心は子供 ー

ふと、思い出した名月の夜の出来事でした。