私の両親は歯科医ではありません。
ですから幼い頃から時々、患者の立場で歯科医院へ通院していました。
何軒かの歯科医院へ通った記憶がありますが、転院のキッカケは判りません。
スポンサーたる親が決めたる処へと連れて行かれただけで、
親にしてみれば、恐らく先生の愛嬌などが大きく影響していたんじゃないかと思っています。
診察台に寝さされて私の順番まで待つ間に、天井の汚れが気になったり、ランプのホコリや、コップ、器具を眺めて
キチンと消毒しているのか等、アレコレ気になったものでした。
歯科衛生士だか助手の女性に対しても、もう少し愛嬌があった方が良いのに!とか、
コイツは大丈夫なんだろうか?などとも考えていたのを今でも覚えています。
歯科に対しては、あまりインテリのイメージを持たずに、どちらかと云えば疑いの眼をもって接していたように思います。
その様な私でしたが、縁があって歯科の世界に入ったことに、本当に人生は判らないものと実感します。
歯科大学での教育を受け、段々と歯科治療の基本が判ってきます。
また、大学病院での歯科治療を受診するようになって、
これも担当医が今では保存学の教授を務められている新海先生であったので、
キチンとした歯科治療とはどの様なモノタルカを実感できたことは
当時の若かかりし私の将来にとっては、大変良かったんじゃないかと思っています。
子供心にも疑いの心を決して感じさせることのない歯科医であろう!そういう歯科医院を創ろうと決めて
今日まで過ごしてきました。
歯科医と云う仕事は、職人仕事であると思っています。
曲がった性根では、決して佳い仕事はできません。
歯科医と云う仕事は、日々を患者さんにのみ向かい合っていれば良いのだと。