日別アーカイブ: 2022年10月31日

老いる こと

86歳で 宮城県石巻市の 粗末な 老人ホームで 独り 幽閉状態に あった 母を

生まれ故郷の 讃岐に 連れ戻して

88歳を なんとか 半年 過ぎることが できました。

家も 衣服 装飾品から 何から何まで

健康保険証 介護手帳 

もちろん

預金通帳 印鑑 の 類いも 

全て 取り上げられ

それこそ 

着のみ 着のままで

働き詰めの 生涯の 決算を 強いられ

無念の 想い のみで 帰ったきたのです。

今、

母は 健康保険証 介護手帳 郵便局の 通帳のみ が 自分を証明する 唯一の 証です。

年金は おかげさまで 母の 通帳に 入ってくるように なりました。

しかし、

唖然 と します。

母は 高額所得者だった と 思います。

が、

年金の 金額の 低さ。

正直 私の 持ち出しが なければ

働いていた頃の 品格を 保つことは 無理だと 思います。

痴呆が 徐々に 進行して ゆく 様を 観て

悲しくなる 反面 

そうで なけりゃ 本人が 1番 辛いんじゃないかと 思えるように なりました。

今では

私 と 家人の 顔しか 判りません。

ただ、

身に 染み付いた 感覚

バカラの グラス

マイセンの マグカップ

食べ物 の 味覚 だけは 当時の まま なのに 驚かされます。

テレビは 観ていても ほぼ 判ってないと 思います。

が、

男はつらいよ

だけは

喜んで 観ています。

山田洋二監督 と 渥美清さん が 本物である 証 だと。

穏やか 日射しの 日曜日。

自宅の キッチンテーブルの 私の席を 占領し

ゆ~くり と 流れる 時を

何を 思い 過ごして いるのでしょうか?

もう少しで 60歳を 迎える 息子は

生涯 最後の 戦い に 挑んでいるのを

判っているのか いないのか?