86歳で 宮城県石巻市の 粗末な 老人ホームで 独り 幽閉状態に あった 母を
生まれ故郷の 讃岐に 連れ戻して
88歳を なんとか 半年 過ぎることが できました。
家も 衣服 装飾品から 何から何まで
健康保険証 介護手帳
もちろん
預金通帳 印鑑 の 類いも
全て 取り上げられ
それこそ
着のみ 着のままで
働き詰めの 生涯の 決算を 強いられ
無念の 想い のみで 帰ったきたのです。
今、
母は 健康保険証 介護手帳 郵便局の 通帳のみ が 自分を証明する 唯一の 証です。
年金は おかげさまで 母の 通帳に 入ってくるように なりました。
しかし、
唖然 と します。
母は 高額所得者だった と 思います。
が、
年金の 金額の 低さ。
正直 私の 持ち出しが なければ
働いていた頃の 品格を 保つことは 無理だと 思います。
痴呆が 徐々に 進行して ゆく 様を 観て
悲しくなる 反面
そうで なけりゃ 本人が 1番 辛いんじゃないかと 思えるように なりました。
今では
私 と 家人の 顔しか 判りません。
ただ、
身に 染み付いた 感覚
バカラの グラス
マイセンの マグカップ
食べ物 の 味覚 だけは 当時の まま なのに 驚かされます。
テレビは 観ていても ほぼ 判ってないと 思います。
が、
男はつらいよ
だけは
喜んで 観ています。
山田洋二監督 と 渥美清さん が 本物である 証 だと。
穏やか 日射しの 日曜日。
自宅の キッチンテーブルの 私の席を 占領し
ゆ~くり と 流れる 時を
何を 思い 過ごして いるのでしょうか?
もう少しで 60歳を 迎える 息子は
生涯 最後の 戦い に 挑んでいるのを
判っているのか いないのか?