大学での講義と講演以外は、復学してからは遠慮していました。
それまでは、インプラントメーカー主催の講演等で多忙な日々を送ってきました。
が、私の伝えたい手法なり治療哲学が、伝わっているとは思えなかったからです。
開業医を対象とする講演は、聴く側は、難しい事などよりも直ぐに簡単に成功するポイントを欲しています。
売る側のメーカーも、折角だから速く沢山、先生方に購入して欲しいというスケベ心が見え隠れしています。
こんな虫の良い話など、あるはずはありません。
学問というのは、コツコツと積み重ねていくもので、
受験競争のような数年での詰め込みで身に付くものではありません。
大学での講義は、6年間ジックリと時間をかけて医人教育を行います。
今では何処の歯科大でも、国家試験予備校のようなカリキュラムを組んでいますが、
私の母校は未だに良い臨床家を育てる手当てを尽くしています。
それで私は、母校での教育活動に専念することにしたのです。
それはとても良い経験となりました。
教え子たちも、社会へと羽ばたき出しました。
若い歯科医のための講演を依頼される機会も増えています。
再び、講演活動も再開しようと思っています。
但し、場所は東京のみで、日帰りでと、
娘たちに迷惑をかけない程度と決めています。