【学問はしんしんと静かに雪が降るが如く】
新潟大学医学部脳外科を創立された中田瑞穂教授の言葉です。
窓からの空から舞い落ちる雪に気づき、
あぁ雪かと。
で、机に再び向かい合って暫くして、部屋の空気を入れ替えようと窓を開けると
庭一面と樹の枝の上に厚く雪が積もって、
首をすくめて窓を閉めたことが何度もありました。
越後の国にて学んだ私にとって、この言葉は、特別な感慨を覚えます。
こう言う台詞が出るのは既に私が老境にさしかかったためでしょうか。
今時の若いもんは、勉強がなっていないと感じています。
横着なヤっちゃと、溜め息混じりで、つい、
こんなんで身に付くものか!と内心思うのです。
結果が判っての勉強などあり得ません。
今すぐに役にはたたないかもしれませんが、
必ず後の足腰の強さとなって顕れます。
問に対して、直ぐに答えを求めるのは学問ではありません。
現在、ある研究に取り組んでいるのですが、
私の代で結果が出るかどうかなど考えてしていません。
興味が涌いて、その本質を知りたくて進めているだけです。
ですから、参考になる文献など無いに等しい状態ですから、
片っ端から関連分野周辺の文献とにらみっ子です。
勉強って、この歳になってもこんな程度です。
理路整然とした考え方で論理的な話と言うのは、理屈ではそうなんでしょうが、
学問をしている人ではないと思います。
理に敵わないから学問があるわけで、
知見がない処をつついて、路を創るのが研究です。
物事の考え方や受けとめ方は様々ですが、
整然と出来ない考え方の方を、私は選んでと思っています。