自覚


私は人の身体を診る仕事をしています。

責任を感じて、緊張して暮らしています。

専門知識の向上と技術を研く生活を若い時分から送ってきました。

一日の大半を接する患者さんは、自分の身体を私に託す訳ですから、

予め私に対して遠慮して一歩下がって接して下さるのが判ります。

業者の方も同じです。

ですから、若い頃から「先生」と呼ばれて過ごしてきた人間特有の愚かさだけは嫌だと、

気をつけてきた積もりです。

が、歯科という素晴らしい対象に引き込まれて多くの時間を過ごしたものですから、

私は自分の未熟さは決して否定出来ません。

技術も優れ、人としても人格良好なる歯科医になりたいと思うものの、

どちらもまだまだ、未熟者だと自覚しています。

但し、正々堂々と駆け走ってきた自負はあります。

当然、後悔も反省も多い人生でした。

私に対するご批判も多くお感じになられるお方も居られると思います。

が、敢えて言わせて頂きます。

私と同じ境遇に在った人生であったならば、

私の両足と腰の支えた力が貴方にはありますか!

私は自分に引け目は持っています。

が、私は自分の軌跡に、他人から意見される筋合いはありません。