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継続

随分と久しぶり、

恐らく30年ぶりではないでしょうか?

大学時代の1年上の先輩と

電話にて雑談する機会がありました。

その際に、

三枝、お前のブログの更新の頻度、

凄いな!

エネルギー要るだろ?

意外な気持ちになりました。

習慣化すれば、

エネルギーは要りません。

大した才能も無い私が、

縁があって、

歯科医学の道に入りました。

私は、この縁を大切にしてきました。

多くの挫折や敗北感を味わうことも

長い人生ですから、

1度や2度ではありません。

ただただ、

歯科医学にだけは、

しがみついていました。

継続することが

とても大切だと、

直感で感じていたからです。

治療においても、

この直感を1番大切に思っています。

何十年と、

歯科医学一筋で経験を積んできた訳ですから。

継続し続けて、

初めて、

直感と云う確かな根拠が生まれるんですよ。

ただ継続するためには、

大きくエネルギーは必要です。

そのエネルギーの素は何か?

私の場合は、

恐がり性分で気の小ささだと気づいています。

ですから、

日々を、

規則正しく、

しかし、

好奇心からの冒険を楽しみ、

一見矛盾しているかもしれませんが、

人生1度きりと云うことを

大前提に。

大勢の歯科医師から、

成功者のように言われますが、

私には実感がありません。

何故なら、

まだまだ歯科医学の道は、

半ばにも至っていませんから。

 

 

頑張りの元

覚えてイラッシャイますか?

大阪の某インプラントセンターにて、

上の前歯に、

インプラント治療を受けた患者さんです。

初診の際に、

頬に涙を流した、

あの患者さんです。

無論、

インプラントは撤去しました。

歯根の本来あるべき部分から、

大きく外れた処にインプラントが植え込まれていますから。

ねっ!

これはチョッと。

粘膜の変形、

骨の吸収も物凄いですよ。

ご覧のように、

骨の幅と高さを増大する手術をおこなったり、

粘膜の歪な形態を

整形する手術を行ったり、

で、

仮ですが、

ここまでやっとこさっとこ、

辿り着いたのです。

最初から先生に診て貰えば良かった。

この台詞、

毎日、誰かしらから、

聞かされています。

だから、

私は頑張るんです。

 

歯に頑張って!とエールを送る

朝からの治療は、

歯の保存治療です。

ラバーダム防湿下にて、

無菌的治療を徹底し、

マイクロスコープにて、

1歯と口腔全体の調和を考慮した手当てから始め、

仕上げは、

マイクロスコープにて、

超精密治療へと進めます。

これで、

この歯は長持ちして、

患者さんのお役にたってくれるに

相違ありません。

ナイチンゲールの気持ち

カトリックの洗礼を受けた私ですから、

さぞかし、

穏やか人に変わったのでしょう?

イヤイヤ。

ついこの間、

大人げなく、

ブッチギレちゃいました。

相手ですか?

放射線科の開業医の知人処の受け付け嬢にです。

余りにも気取って、

上から目線な、

物言いに、

遂に私の堪忍袋は炸裂したのです。

患者さんの検査依頼は、

他に代えました。

で、

私の内心で思ったのです。

この医院は、

この受け付け嬢を早々に切らないと、

大変なことになるな!と。

綺麗で最先端の医療を提供する医療機関のスタッフには、

私ら医師は、

相当に注意を払って、

ジッと観察する必要があります。

ソレは、

スタッフが勘違いするからです。

医療機関の主役は、

誰でもない、

患者さんなのです。

医師ではないのですよ。

患者さん主体の医療。

ソレを現実と理想のギャップを

どうやって埋めてゆくのか。

ソレが院長の大きな手腕なのです。

私ん処も、

スタッフが代わりました。

現状は、

スタッフ業務全般を、

私自身がヤッて見せています。

受け付けから、

口腔のクリーニング。

器具の清掃・消毒。

全般です。

電話の応対も、

出来る限り、

私がヤッて、

見せています。

ナイチンゲールの気持ちに成りきれる人、

ソレが医療人の最低ラインです。

そこから技術的なことがスタートする訳です。

ただ、

ナイチンゲールの気持ちになれない資格保持者は、

大勢いらっしゃる。

でも、

私の診療所では、

そのラインだけは、

絶対に維持するために努力しています。

ダイレクトボンディング修復

いくら私が金属の修復治療が好きだといっても、

この金属修復治療は、

ダメですよね。

歯の形態再現が全くの不正確。

適合も最悪。

噛み合わせも同様。

これは歯科治療ではなく、

歯周組織を不潔にし、

歯に新たな虫歯を造る道具です。

手前の小臼歯も、

同じように金属修復されてました。

ダイレクトボンディング修復にて、

再治療。

ダイレクトボンディング修復も、

コンポジットレジン修復のように、

前歯の裏側の詰め物が変色していますが、

同じようになるのでは?

そんなことありません。

修復フィールドのコントロールが上手くゆけば、

ダイレクトボンディング修復は綺麗さを保ちます。

この患者さんからお願いされました。

この金属修復の歯も、

ダイレクトボンディング修復でと。

技術的な難易度の高いダイレクトボンディング修復ですが、

トライしてみようと、

楽しみにしています。

愛校精神

早慶や東大の卒業生ならば当たり前ナンでしょう。

日本歯科大学は私立の単科大学に過ぎません。

ソレも、

歯科医師過剰の影響をモロに受け、

理系の受験生からソッポ向かれた感のある歯学部です。

偏差値も私らが受験生の頃から比べると、

20も低くなって眼も当てられない昨今ですが。

ただ、

私らは逆の発想をしています。

こんな時代にあっても、

歯科医学を志してくれることに、

驚きと安堵と感謝。

そんな若人を、

大切に教育したいと。

そもそも歯科医学と云う学問を志すに、

お金儲けができるから、

ステータスが高いからなど、

もっての外だと。

歯は地味な器官です。

命への直接的な影響もない。

そんな歯に、

生涯を捧げる人間も大勢居るんです。

日本歯科大学の人間は、

歯科会でも独特の匂いを持っています。

自主独立の建学の精神は100年以上経った今でも、

文科省からの助成金を1銭も受け取っていない

唯一の大学です。

自前で、

わが国最大の卒業生を送り出してきたと云う自負、

学長先生をトップに、

一糸乱れぬ行動を採れるのは、

歯学を創ってきた学校であることの証です。

私も此処の門下生である事が支えとなり、

此処の教官である事が誇りとなり、

患者さんの治療を根拠を持ってできているんです。

他校出身の歯科医師には解らない匂いでしょうね。

普通でないことを当たり前のように

私の診療所は健康保険の治療を行っていません。

と云うと、

高額な歯医者!

って、

思われるでしょう。

ある面、

そうかもしれません。

だから、

私は万全の体制で患者さんをお迎えしています。

でも、

よ~く思い出して下さいね。

歯科医院に受診した際に、

健康保険の治療ではココまでしかできません。

健康保険は利きませんが、

コチラの治療の方が良いですよ!

って、

当たり前のように、

自費治療を薦められた経験はありませんか?

ねっ!

そうでしょ!

結局は高い治療を薦めらレるんです。

私は【物売り】ではありません。

歯を長持ちさせたい。

噛める入れ歯を造って差し上げたい。

長持ちするインプラント治療を安全に施したい。

患者さんのプライバシーに配慮したい。

患者さんとシッカリ関わりたい。

ユックリとリラックスして診察したい。

そんなところで、

1日に数人だけの、

患者さんだけに。

今、歯磨きの練習段階の患者さんです。

無論、

私の為した治療ではありません。

が、

間違いなく、

歯科医師による治療を受けています。

健康保険取り扱いの利かない治療ばかりですね。

これで本当に良いんですか?

当然ですが、

患者さんは治療して失敗だったと感じていらっしゃる。

全てのクラウンを外さなきゃなんない。

根管治療も全部1から。

歯周外科も必須。

部分的にはインプラントも必要でしょう。

噛み合わせもメチャクチャですね。

これも、

丁寧に、

この患者さん本来の噛む位置を探さなきゃなんない。

大変な症例ですよ。

こういう患者さんが後を絶ちません。

色んな地方からいらっしゃる。

私にとって歯科治療は商売ではありません。

私の人生そのものです。

こういう悲惨な状態にならないために、

初期の虫歯や、

生きている歯に対しては、

最小限の削除で、

ダイレクトボンディング修復。

ラバーダム防湿も必須。

よほどの理由がない限りは、

クラウンを被せない治療。

歯を殺さず、

神経を取らない治療。

普通でないことを

当たり前に行う。

私はそこに徹底的に重きを置いています。

 

 

歯科治療の立場から

私の診療所では、

歯科治療を始める前に、

必ず内科対診を医師にお願いしています。

患者さんからは、

予め問診票にて、

ご自身の情報を記載して頂いてはいますが、

長い臨床生活で、

患者さんご自身が気づいていない、

あるいは、

担当医が見落としている病気がある経験から、

患者さんの全身状態を把握する必要性を感じたからです。

幸いなことに、

診療所のすぐ裏側に、

榊原クリニックがあります。

榊原医師は長年、

香川医大にて全身管理をご専門としておられました。

ですから、

歯科治療特有の注意事項についても、

きめ細かく配慮した検査を、

私の意見を取り入れ、

また、

内科医としてのアドバイスを頂戴すること度々です。

身体に配慮した歯科治療が、

今後ますます重要視されるでしょう。

超高齢化社会です。

多くの患者さんが、

何かしらの投薬を受けておられます。

診療所の隣には、

大手製薬会社の経営する処方箋専用薬局があります。

薬の選択は、

きめ細かく処方しなければなりません。

飲み合わせも考慮しなければなりません。

ですから、

隣の調剤薬局は私にとっては、

豊富な薬剤のストック場所でもあり、

私の薬の知恵ブレーンでもあります。

榊原医師と調剤薬局の助けにて、

私は安心して歯科治療に臨めるのです。

複雑な全身状態については、

日本歯科大学の学部長である藤井教授がご専門ですから、

データー添付のメールにて

即座に対応して下さいます。

治療に際し、

全身管理医のアシストが必要な患者さんも

年にお一人位の程度でおられます。

この際は、

母校の全身管理科の大橋科長がヘルプに

来て下さいます。

歯の矯正治療は兵庫県川西市の畑先生。

顎関節の疾患の難症例については、

母校の小出馨教授にアドバイスを。

ご婦人の患者さんも多いですから、

ご婦人の身体と云うのは、

女性の婦人科の医師にしか細かな処は

解らないだろうと。

倦怠感とか更年期障害にある患者さんに対する歯科治療ですね。

これは女医さん数名に依頼しています。

たかが歯科治療?

私にとって歯は命です。

人の長い人生と

寄り添った歯科治療を行うことが、

どうやら歯の長期保存の鍵なようですよ。

虫歯治療

金属の詰め物が施されています。

メタルインレーです。

私はメタルインレーは全くしません。

メタルインレーの詰め物と歯の間に

セメントが存在するからです。

このセメントは経時的に劣化します。

で、

歯とメタルインレーの間に隙間が生じ、

新たな虫歯の原因となります。

また、

治療操作中、

新鮮な削られた歯面が

唾液で汚染され、

私の云う【無菌的治療】からは

ほど遠いからです。

インレーを撤去し、

ラバーダム防湿です。

変色した部分を、

唾液から隔離して、

丁寧に丁寧に取り除きます。

この歯は、

虫歯が神経まで僅かですが、

至っています。

神経の保護剤を貼付し、

とりあえずは、

神経が回復するのを待ちましょう。

で、

次回にダイレクトボンディング修復です。