長生きすることによって


医療技術の進歩と、

医療政策の貢献によって、

人の寿命はますます長くなるでしょう。

恐らく107歳まで、

人は生きる動物になるでしょう。

90歳を優に越える自分の姿を

イメージ出来るでしょうか?

股や膝などの関節に対する

人工関節に置き換える手術は

今では普通の行為となりました。

長い間、

身体を支えてくれる訳です。

年齢と共に、

関節疲労と磨耗が生じるのは

当たり前です。

でも、

顎関節では?

エッ!

口となると実感して頂けません。

歯科に対する認識の低さに、

淋しい気持ちになります。

歯周病治療の進歩と、

口腔の衛生管理の普及によって、

歯を失う老人は激減しています。

歯がある訳です。

それは社会貢献に繋がりますが、

噛む力を受けとめる顎関節は

どのように変化するのでしょう?

私たち歯科界の初めての経験です。

整形外科分野のように、

人工関節に置換させる手術方法へと向かうのか、

それとも、

非外科的治療方法が進歩するのか、

この分野は、

今後の歯科医師の急務となるでしょう。

歯科医師の領域は、

ますます拡大しています。

先般、

新潟県燕市にて開業の

細山裕先生のお顔を

約10年ぶりに拝見しました。

私が付属病院に復帰したことを知り、

わざわざ来院して下さったのです。

驚きました。

84才になられたとの事。

全く年齢を感じさせられません。

颯爽としたブルーのポロシャツに

白のジーンズ姿で。

懐かしい細山スマイルも健在でした。

無論、

現役でいらっしゃる。

診療スタイルも、

最先端であるのも昔の通り。

私は仰け反るほどに驚いたのです。

カリスマ歯科医師の迫力は、

衰える処か、

ますますエネルギッシュでありました。

仮に、

細山先生ほどの迫力ある84才の方が

患者さんとして、

私の診療所へお越しになられたならば、

私はどのような物指しと基準にて、

治療方法の選択をすれば良いのでしょうか?

私自身が、

医師の立場として、

患者さんの立場になって、

ジックリと考える必要に迫られた気持ちになりました。