昨夜も診療所に泊まりこんでいました。
日本歯科大学付属病院の総合診療科における
治療のガイドラインの製作中だからです。
大学付属病院には大勢の歯科医師が治療に従事しています。
医師には、
それぞれに裁量権があります。
ただし、
治療における原理・原則は揺るぎないものです。
大勢の歯科医師が行う治療の
大学付属病院としてのガイドラインを
各科長と共同で製作することが、
日本歯科大学の大きな主張となることに
若手医師たちが気づいてくれたからです。
自分たちは、
此処で歯科医学を学んだのだと。
そのくらい、
歯科治療の方法論は
沢山あるのですよ。
歯科医院は何処に行っても同じだなんてことは
全くありません。
総合診療科の医員たちの顔を思い浮かべながら、
多くの参考文献を前に、
暴雨の窓を叩く音をよそに、
ペンを走らせていました。
私の大学時代の姿を知る人は、
今の私を同一人物とは信じません。
そのくらいやんちゃ坊主だったんです。
が、
出逢いが私の人生を一転させて下さったのです。
生涯の師と仰ぐことになる内藤正裕先生を始めとする、
国内外の歯科の巨星たちです。
それほどまで、
歯科医学とは魅力あるものなのかと、
知らぬうちに、
引き摺られるように、
歯科医学に埋没していったように思います。
55歳を前に、
再び人生の転帰点を迎えました。
カトリックとの関わりと、
母校である日本歯科大学付属病院の総合診療科の
臨床教授の任に就いたことです。
もうやんちゃ坊主では済まされなくなりました。
覚悟を決めて、
背負った責任の重さを
日々自覚しながら、
器具を手にしています。