18歳で歯科医学の門を叩いて
35年ほど過ぎ去り、
で、
結局の処、
想い至ったのが、
この内村鑑三氏の言葉です。
内村鑑三氏は、
少年よ、大志を抱けと云う台詞があまりにも有名である
札幌農学校のクラーク博士のお弟子であり、
日本における聖書の普及者として有名な方です。
この氏の遺した言葉は、
氏が長野県安曇野に滞在した際に、
歯が原因の骨髄炎を患い、
当時の医療事情であれば命を落としかねない状況にありました。
当地の歯科医師の手厚い治療と介護にて
無事に回復された氏が、
感激して書き記したものです。
50も半ばとなった私も、
やっとこの言葉の本当の意味合いが
おぼろ気ながら、
判るようになりました。
人の大切な身体を与る歯科医師として
紳士の振る舞いと思考をと、
診療台の直ぐ脇に掲げたこの言葉を
1日に何回も何回も、
私は眺めては診療しています。