池波正太郎作品の中でも【剣客商売】が1番好きです。
主人公の秋山小兵衞に男が憧れる訳が在ります。
普段は江戸郊外に隠居する身であり、
女房は孫の年ほどにも離れた女性で、
飯もとびきり旨い。
で、
徒然なるままに女房の膝枕で耳の掃除をさせながらのうたた寝過ごし。
たまに、
船を女房に漕がせて川を下り江戸の街へと出かけ、
街では皆から「先生、先生」と崇められ、
時に、
剣をとっては相手をバッサリ斬り倒す腕前。
そんな上手い噺など在る筈もないじゃないか!
と。
そりゃそうだ、小説だもの。
だから時代を経ても愛され続けられる作品だと思うのです。
【鬼平犯仮帳】の平蔵にしても、
あんな男の中の男の代表みたいな人を
この年になるまで観たことがありません。
そりゃそうだ小説だもの。
と言いつつ、
池波正太郎氏に会った機会はありませんが、
書物によれば、
相当に男の中の男であったそうな。
こだわりを持つと云う意味合いに於いては、
私も違いの解る男であると自意識過剰のきらい在りですが、
この類いは、
今には生き難い時代となったようです。
何事にも、
美意識と克己心?やせ我慢と云った方が良いかもしれません。
しかし、
男の生きざまには必須だと思うのです。
そういえば、
大和撫子と云う言葉が在りますが、
【なでしこ】の方は、
玉蹴りの世界では定着しているようです。
が、
そこに【大和】と云う冠が付いてしまうと、
もうコレは完全に死語であろうと。
耐久性もなにもかも、
強くなってきたことが進歩、進化だと
持て囃されています。
ただ女性については、
果たしてそうだろうか?
と、
著しく強く進化を遂げた日本の女性に、
私は、
ただただ圧倒されて吹き飛ばされそうになる
河原の柳の葉のようだと。
頑張れ!日本のお父さん!