歯科保存学の重要性


前 日本歯科大学 保存学 教授である加藤嘉郎先生は、

退官記念講義の最後を次の台詞で締めくくりました。

【歯科保存学は歯学の王道である】

昨日、新患でお越しになられた患者さんは、

とても不思議な状況下での、

新たな出会いでありました。

と言うのは、

現在、他の歯科医院において根管治療中であること。

次回、根管充填のあとファイバーポストの処置を受ける予定であること。

それならば、

何故、私に?

私は現状の治療の良否は行う評論家ではありません。

困ってしまいました。

一応、1枚だけレントゲンを撮影させて頂き、

ジーとフィルムを観察。

現状を正直に説明することが出来にくい場合も多いのです。

本当に、

こういう時は困ってしまいます。

レントゲンだけでは不明な処もありますから、

直に直接、

歯を診てみましょうと。

で、

ラバーダム防湿して、

マイクロスコープを使う以前に、

歯の中は虫歯で軟化した感染歯質の宝庫でした。

歯が折れない方法を考えることと、

本当にこの歯は残るの?

という状況。

根管を触る以前の状況でした。

なんて説明すれば?

戸惑う私が愚かであったことを

その後に判らされたのです。

患者さんは仰られました。

次から先生にお願いできますか?

クラウン、ブリッジ、インプラント、審美、部分義歯、

機能回復の方法は沢山ありますが、

その前に、

絶対に避けては通れない処置が在ります。

地味で、地道な手順ではありますが、

保存治療なくして、

次の治療段階へ進むと、

治療が却って身体を傷める手段に変貌します。

根管治療においてラバーダムなくして、

無菌的な治療は出来ません。

歯周病のコントロールなくして、

機能回復など無駄な砂上の楼閣でしかありません。

多くの説明の言葉より、

実際の手当てに勝るモノはないと、

この時、つくづくと感じたのです。

しかし、

虫歯も見分けのつかないベテラン歯科医師が居ようとは、

私は、この点だけは納得いきませんでした。

虫歯検知液を使う以前の状況で、

この目を疑うばかりでした。

歯科医師からの説明は殆んど無かったようです。

だから、

無資格、にわか知識の歯科コンシェルジュ?って業種に

私は批判的なのです。

本当に考えさせられること多い1日でした。