新しい患者さんに想うこと


昨日の新患の患者さんを診察させて頂いて

熟と感じますのは、

私は幸運であったと。

私は良き師と出会いました。

また、良き時代に新人時代を過ごせました。

既に世を去り歯科界の巨星達から

直接に接し、

彼等の息づかいまでも

身をもって感じることができました。

近代歯科医学の発展途上期であったからです。

巨星たちは、

物事の【真実】を見極めていたのでしょう。

個々の歯の置かれた状況から

体系的、経験的治療計画に乗っ取り、

崩壊した口のなかを丁寧に正確に処理する捌きは

絶妙でありました。

気がつけば私も50を過ぎ、

知らず知らず、

人の身体の行間を感じる【勘】という

能力を身についたんだと思います。

未熟な治療の結末は、

患者さんを不幸のドン底に突き落とします。

【本当に困った患者さん】が毎日のようにお越しになられます。

私の診療所は【敷居】が高いと思われているようです。

そうかもしれません。

それは、

歯なんかチョコッと治せば良いと

その様に考えて居られる方も多いからです。

私は、その様な方の治療は出来ません。

歯を大切にお感じになられる方の主治医でありたいのです。

【敷居】の高さは、

その現れだと思います。

私は万全の態勢で診察に臨んでいます。

生意気な言い方でスミマセン。

歯は私の半生そのものですから。

まだまだ成長と進化を遂げたいと思います。

昨日の患者さんをお迎えしてから、

ある時期までは、

常にその患者さんの口の状況が

頭から離れることはないでしょう。

歯医者も色々な人が居ることを

判って下さるように精一杯務めさせて頂きます。

新しい患者さんに対して、

私がいつも想うこと。

【こんな偏屈者の処を訪ねて下さりありがとう】