二面性


患者さんの大切な身体を与る医者には、

特別に慎重で、

気の小さな処と、

バサッと、

患部を即座に除去する決断する

肝の太さの、

全く相反する性格を併せ持たねばなりませんし、

長い間、この仕事に就いていると、

自然と、その様な人になる様な気がします。

日々を健やか、穏やかに過ごすことと

無縁な仕事です。

逆に、その様な日々を過ごせない人が

医者らしい人に多く見られる様な気がします。

私などは、その辺りのギャップを認識していますので、

仕事以外の時間の殆どを、

犬たちと過ごすのを好んでいるのでしょう。

犬に誤解の気持ちなどあるはずもなく、

ストレートに此方の目線と合わせてくれるのが、

私には楽なのかもしれません。

此方は二面性があるのにも係わらず、

相手方にはストレートさを求めるのも、

勝手なのですが。