子供心


朝から前歯のダイレクトボンディング修復に夢中で臨んでいました。

こういう時の私は、猿と同じです。

無心で、色を重ね重ね、

無心で、歯を彫刻し、

時の経過も忘れ、物音何一つ聞こえない。

で、院長室に戻り、

昨日の私のブログへの多くの様々なご意見を頂いたのを確認し、

誠にありがとうございますと云う感謝の気持ちと共に、

成る程、成る程と。

本当に色々なご意見がありました。

私の仕事は、仕事の性格上、様々な材質の素材を扱わねばなりません。

それらは、酸アルカリに曝され、大きな咬む力を受け、

熱い冷たいと云う温度変化の中で、

しかも骨、筋肉、靭帯、歯周組織、

で、エナメル質、象牙質、セメント質と云う複合体と、

歯髄循環と云う状況下に、

長期間、共存せねばなりません。

昔、法隆寺の宮大工の棟梁が、

次の何百年か後の修復時の棟梁と競い合う心持ちで

仕事に臨むと云う台詞、

長い風雪に耐え得る素材を探し求めて、

適材適所に用いると云う台詞を、

私は忘れた時はありません。

仕方のない事と思うも、

もっと知恵を絞るとモガクのも、

これは私が決めねばなりません。

但し、

私は歯科医に成りたくて成りたくて、

この門を叩いた以上、

私は、

砂の粒ほどの小さなヒントであっても、

見逃すことは出来ません。

ここには社会貢献と云う考えはなく、

歯をもっと知りたいと云う、

ただただ子供心のような、

決して他人には理解できない私の性格上のモンがあるのだと思います。