手術が終わって、止血を待っているところです。
恐がりなのは今も変わりませんが、
幼い頃とくにその傾向が強かった私は、
怪我をして血が出た時などは、
気が遠のくばかりに脅えおののいたモノでした。
こういう性格って、環境が生まれ変わらすのでしょう。
私は今でも蛙が嫌いです。
庭の土から、親指程度の蛙が飛び出してきた時などには、
奇声を挙げて、韋駄天の如く、
家の中に逃げ帰るほどです。
大学1年生の後期になると実習が始まります。
生物学実習の際に、私は人生初の白衣を纏いました。
背伸びした心持ちを今でも覚えています。
で、実習室の教官の机の上に置いたるダンボール箱の山に、
その後で驚愕する自分などに気づく筈もなく、
ただただ白衣にご満悦の能天気な自分の表情も覚えています。
メロン程の大きさの土蛙の解剖と、
その肉を全て取り除き、
骨だけを綺麗に並べて
骨格標本を造る破目になった私は、
後には退けない想いが、
苦手を克服したのだと、
克服ではありません。
ヤらざるを得なかったと云うのが正直な処です。
今年も何百症例もの手術を執刀しました。
そんな私の過去など、誰も知る由はありません。