貧乏暇なし


普段と変わらぬ気持ちで過ごしていました。

が、気がつけば、もう今年も余す処2週間となりました。

この年末年始の休み程、私ら開業医にとって迷惑なものはありません。

技工も仕入れも一斉にストップするからです。

また、治療において私は患者さんの身体の治るスピードに合わせて

次の予約をいれていますので、

このような長期の休みはイライラの基になるのです。

ときたま、いついつ迄に治療を終わらせて貰えませんか?

と云うリクエストでお越しになられる患者さんがいらっしゃいます。

その様な時に私は、

家の新築の際に、地盤が固まっていないうちに建築に取りかかると

後から床が傾いたなどと云う良くある話を例えて、

かけがえのない大切な歯ですから、

その当りを良くご理解下さいとご説明申し上げているのです。

根菅治療の際に使用する薬剤などは、

種類によって貼薬期間が決められており、

それよりも長期に使用すると、

薬も限度を越えれば毒になりますから、

却って歯を傷める事になりかねません。

このように日常の手当てにおいても、

お盆休みやゴールデンウィーク、そして年末年始の

休み程に迷惑なものはありません。

加えて趣味と云う趣味のない私ですから、

歯を触っていないときほど、

何をして良いのかも判らず、

アァ!自分の身の置き所のない事に嫌気がさす始末です。

貧乏暇なしと云う言葉は、私のような人間のためにあるのかもしれません。