週末日記


 台風で大荒れの天候の最中、
週末を関西で過ごす羽目となった。

 なぎ倒される通りの自転車。
アスファルトをうち叩く様な
凄まじい雨脚のなかを
転がる様に跳ばされてゆく
骨の壊れた笠群。

 ビルの屋上に設置された立看板が
風に煽られて
今にも暗黒の空へと
舞い上がらんとする
夜も更けた中を
宿へ入った。

 頭の先から全身
ずぶ濡れであった私は
部屋から浴室へと直行した。

 今宵の宿は
マリリンと伴である。

 最近はペットと同伴可能の宿が
増えたようである。

 私の様な者には
大変有り難い。

 風呂を終えた後に
階下のスペイン料理店へと
マリリンを従えて
顔を出した。

 暴風雨に怯えたマリリンであったが、
今は足元で
自分の料理に舌鼓、
極楽至福の時である。

 小腹を起こして
部屋へと帰って
ソファで並んで
深夜まで
テレビに明け暮れた
関西の夜であった。