人は自身では決して気づかないが、
北へ向かう人と
南へと向かう人に
大別される相である。
私は間違いなく
北へ向かう人である。
人は自身では決して気づかないが、
山へ向かう人と
海へと向かう人に
別れる相である。
私は間違いなく
海へと向かう人である。
朝、マリリンのリードを
引っ張って、
何時もの様に
北へと脚を進めた私である。
遠くに薄青い屋島が見える。
讃岐に帰って来る際に
高速道路から
屋島の姿に安堵な心持ちになるのも
私も立派な讃岐の人となった
証しであろう。
高松市の最北端に
サンポートと名付けられた
今風の波止場が在るが、
赤灯台の下に立ち、
夕凪の備讃瀬戸の眺めは
此は此で、
日本海の夕日とは
趣を異にして、
誠に穏やかな
1日の終りに
相当しいものである。
が、北国の厳しさは
矢張、
人の成長過程に於いては
肥やしになるのでは無いかと
越後人贔屓と云う訳では
これ又無いが
かように思って
讃岐の人となった私である。