心を平静に保つ手法は、人によって様々でしょうが、
私の場合には、ある2冊の書籍に目を通すことが一番の処方箋であるようです。
いずれも1970年代後半から1980年代に出版された歯科の専門書です。
当時の一流の歯科開業医の面々により認められた診療記録とその自己考察です。
インプラント治療もオールセラミック修復は全く見当たりません。
しかしながら、歯科クラッシックの音色の素晴らしさは、
今でも決して色褪せることはありません。
確かな診断力と症例を観察する鋭い眼力に敬意を表すものです。
診療記録のなかで、皆さんが【診断における悩み】という言葉で心根を現せておられます。
自己のなしたる診断が、どの方向から観ても正しいモノであったか、
治療の過程の全般において悩み、再評価を加えておられます。
この再評価は、治療が終了してからのズット続く定期的な検査においても続き、
心の休まる時はないと、その胸の内を述べられています。
ここに、単に資格を持つからの歯科医師と、歯医者の違いを感じるのです。
私が癒しを犬たちに求めるのも、この種の悩みから一向に開放されないからだと思います。
これら書籍に目を通しながら、脇で寝そべる犬の背中をつま先で撫でるのが
私の一番のストレス解消法です。
犬たちは穏やかな表情で眠っていますが、
これらの書籍は、ボロボロになってしまいました。