歯科医になって・数年・経過した頃、
親友の母堂で、
近代日本における・根管治療の母とも言える
根管治療の大家であった・浅見保子先生が、
どれ・どれ?
指の腹を・見せてごらん!
で、
私の親指と・人差し指の腹・を
ご自身の・指で・触って、
は〜ん?
まだまだ・だねぇ!
半人前だよ!
私の指に・触れてごらん!
で、
恐る恐る、
同じように・触れてみて、
凍りついた・ことを、
時々・思い出すのです。
岩のような・指の腹でした。
硬い!
でも、
ただ硬いのでは・なく、
微妙に・柔らかい・妙な・感触。
これが・大家の指でした。
私は・この親友の母堂を・常日頃から・羨望の眼差しで・観てました。
腹の座った・ちっちゃな・かわいい・おばちゃん。
ニコニコ笑顔。
でも、
歯の話題になると、
瞬時に・真剣顔。
これが・昔の本当の歯医者の姿だったと・思います。
歯科大生の頃から、
可愛がって・頂いて、
歯学に向き合う・心の準備が・自然と身についたのは、
浅見保子先生の・お陰です。
こういう時代の・母性というのは、
教育上、
有効なんです。
昨年の秋、
日本歯科大学・新潟の歯科補綴学第1講座の教授に就任された
40半ばの・水橋史先生。
日本歯科大学新潟校出身の初の・女性教授です。
いつも、
ニコニコ笑顔。
でも、
どっしり・されて。
学生にとっては、
頼もしくも・温もり・感じる、
精神安定剤に・なってくれるでしょう。
良い・人事だと。
話し・を戻して、
歯医者の・指。
私の・指。
あぁ・年月の経過を・感じます。
今の私の・指を、
天に召された・浅見保子先生に・触れていただいたら、
どんな・言葉をいただくでしょう?
弟子たちとの・会話の中で、
ほら、
俺の指を・触ってごらん!
なっ。