高松インプラントセンター その7


 1996年に設立された私の
高松インプラントセンターは
四国一の実績と経験、
そして設備を備えていると
自負している。

 異論の在る歯科医が居れば
私は何時でも
受けて立つ準備をもっている。

 昨日、インプラント治療を希望する
患者さんが来院された。
他の医院でインプラント治療を
勧められての来院であった。

 興味深い事に
私の下した診断と
全く異なった診断を
受けていた。

 抜歯が必要な或る歯の部分に
インプラントを埋め込む事には
異論は無いが、
この歯には炎症が著しく
周囲の骨の吸収は著明であった。

 此の状態では
インプラントを埋め込む事は出来ない。
骨の幅が足らない事は
CTを撮影するまでもなく
明らかであった。
骨造成の必須の症例である。

 又、もう一ヶ所は
既に歯が抜いてあったが
此処も、
明らかに骨の幅が足らない。
おまけに其の前の歯には
根の先に大きな膿の塊がある。

 此の様な場合には
すぐ隣にインプラントを埋め込むと
横に在る膿の塊から
早晩、細菌感染を生じる
可能性を孕んでいる。

 前医は私の大学の卒業生であった。
思わず舌打ちをした私である。

 何時から
こんな診断と治療計画が
罷り通る様になったのかと
頭を抱えてしまった。

 インプラント治療と云うのは
謂わば、一種の移植治療である。

 其の辺りを
肝に命じて
症例と向かい合わねばならぬ。