支え


母親を引き取ってから、

暮らしが・激変しました。

幼い頃の記憶では、

料理が・忠実で・上手であった母でしたが、

今では、

全く・何も・したくない・幼児のように・なりました。

テーブルに・並んだ料理を、

黙々と・食するだけ。

好きな珈琲をも、

珈琲が・飲みたいと・ねだる始末。

ただ、

本当に・美味しそうに・味わっています。

私は・食べる事だけが・幸せだねぇ。

歯が丈夫で・良かった!

施設で・歯医者さんがきた時に、

直ぐに・分かったから。

この先生は・下手だ。

触っただけで・分かったから、

先生にも・看護婦さん(歯科衛生士だと思いますが)にも

絶対に・触らせなかったのよ!

先生たちも・私の歯を見て・ビックリして、

一才・触らなかったわ。

自分で・手入れしてきたの。

母の歯は・全てインプラントです。

私が36歳の時の・仕事です。

未熟な治療だと・今では、

見たくない・心情ですが。

母は、

今では・全て自身の歯だと・思っているようです。

ただ、

息子が治療した歯である事だけは・鮮明に分かっているようです。

時たま、

難しい症例に接した際とか、

新型コロナウィルスの影響で・診療所の将来を案じる時が・あります。

ちょっと・弱気な言葉吐く時が・ないとは・言えません。

そんな時に、

あなたは・絶対に大丈夫!

あなたは・歯の治療が・趣味だもの。

仕事が趣味の・男は・大丈夫!

そのときの母の表情は・確信に満ちています。

変な・モノですね。

現役時代は・大女将と世間から謳われた母の一瞬の・正気は、

妙な・安堵感を生んでくれるんです。