月別アーカイブ: 2018年2月

信じること

物凄く真面目な表情にて、

友人である歯科医師から問われました。

あんまり真面目であったので、

私の方は、

吹き出してしまいましたが。

三枝!お前は本当に、乙女マリアから聖霊によってイエスさまが産まれた!

そんなこと信じとるのか?

私ですか?

おう!信じてるよ。

友人が続けます。

お前のような科学に生きる者が何故?

で、

お前のクリスチャンネームの由来である大工ヨゼフについては?

私か?

尊敬してるよ。

自分の息子ではないんだぞ!

自分の女房に神様が宿した神様の子供と、

彼は一片の疑いなく、

大切に育てたのや!

凄いことだ。

友人は続けます。

科学との矛盾は?

私は科学は科学。

科学は人間の追い求める探究心だと。

神様は居られるます。

科学を遥かに越えた処においでです。

私が歯の治療の最後の詰めの大切な瞬間 !

私は自分の魂を人工の歯に注入します。

心を込めて仕事をするのは当たり前。

紙1枚の差という言葉が在りますが、

心を込めることと、

魂を封じ込むの間には

大きな結果の差が生まれるように思います。

学ぶこと

受験生の皆さんは、

最後の追い込みに必死なのでしょうね。

でもね、

55歳になる私ですが、

帰宅してからも、

ズットご覧の通りの生活です。

若い時分には、

もて余すほどの時間と体力がありましたから、

仕事帰りに深夜まで盛り場へ、

なんてことがヘッチャラだったのですよ。

考えが一転したのは、

40も半ばぐらいの時でしょうか。

全てを洗い流したように、

歯科だけに、

集中するようになりました。

少年時代の後期に、

私が歯科医師を生涯の仕事として

選んだ訳です。

歯科の【何たるか】の一片も

私は判っていないと気づいたのです。

今でも、そうです。

歯科医学の奥深さに、

圧倒される日々を過ごしています。

私は名人でも名医でもありません。

ただただ歯科医学に魅了された一人の人間に過ぎません。

今は、

受験生のように、

焦って、

焦って、

ご覧の通りです。

学ぶことが、

歯科医師の仕事の大半だと。

辛い仕事

今日、お越しになられた患者さん。

大変なお苦しみようで、

心が痛みました。

治療を行うに際して、

現状を完全に把握しなければなりません。

診断のための、

データーの収集から始めました。

データーから診断が付き、

様々な治療方法があるなかで、

患者さんと一緒に、

治療のメリット、デメリットを計り、

最終的な治療計画を作成します。

それで初めて、

治療ということになります。

治療を進めながら、

各ステップ毎に、

再評価を行い、

治療計画の変更を行う場合も在ります。

が、

今日の患者さん。

歯科治療そのものが、

現在の苦しみの種になっている。

話しには聞いていた歯科医師ですが、

さすがに、

わざわざホームページをじっくりと

観てしまいました。

国立大卒であることから、

頭は阿呆ではないようです。

ですが、

大人の男としての眼で観て、

この歯科医師は阿呆だと思います。

ナルシストって云うんですか?

それは勝手ですから、

構いませんが、

動画で講釈するのも結構。

口も達者なのでしょう。

でも、

良いモノを観ずに、

良いモノに触れずに、

育ったんでしょうね。

ご高説は構いませんが、

これから私は、

必死で、

治さねばなりません。

 

奥歯のセラミッククラウンの噛み合わせ

アメリカの歯科医師が

みんな上手という訳ではありません。

このセラミッククラウンは、

シカゴにて治療なさったとのこと。

丁寧に歯磨きして頂くことのトレーニングから始め、

歯石を取り除き、

再び、

歯磨きのトレーニング。

そのような繰り返しから、

その患者さん毎の【歯茎の個性】が判ってきます。

歯の根の表面を丁寧に研磨するのは、

熟練した歯科衛生士の仕事です。

そのあと、

私、歯科医師にて、

治療方針が決定されるのです。

不良な形態のクラウンは歯肉にとっては

迷惑至極の代物でしかありません。

歯周外科のあと、

仮のクラウンに交換して、

歯肉の熟成を待ちます。

で、

セラミッククラウンの製作へと。

とは言え、

歯型を採って、

次回に完成セットと云う単純作業ではありません。

歯肉を傷めないクラウンを造る手順を

ステップ.バイ.ステップにて。

メタルボンドクラウンのメタルフレームの試適を行い、

再び、

歯の型を採ります。

ここから、

セラミックを盛りあげるための模型を造ります。

セラミックは陶材です。

窯の中で、

高温で焼成して、

人工歯の色と形を造ります。

ほぼ完成ですが、

これからが、

歯科医師の腕の見せ所!

相対する歯との、

噛み合わせが最後の詰所。

私は厚みが20ミクロンの印記紙にて、

上下の歯の接触を測っています。

が、

これでも、

まだまだ誤差は大きいと感じています。

今日の記録の状況と、

私の調整は、ここまで!

少しずつ、

歯は微妙に動きます。

少しずつ、

少しずつ、

完璧に仕上がるように。

この噛み合わせの調整って、

頭の体操なんですよ。

歯の状況と接触点から、

力学を考慮して調整しなければなりません。

そして何よりも肝心なのは、

歯科技工士の腕です。

上手な歯科技工士さんの造る人工歯ほど、

心安心した治療ができます。

歯型を採って、

直ぐに完成、

直ぐにセットという治療は、

歯科治療ではありません。

 

 

 

 

聖ヨゼフと共に

今日も、

手術を2症例ほど。

他にも、

本当に歯で困っておられる患者さんの多いこと!

診療室の前ホールに飾る絵画は、

師匠である内藤正裕先生のお祖母ちゃんの描かれた

【大工ヨゼフ】です。

先生から頂いた私のカトリックネームである【ヨゼフ】の由来です。

診療室に入る都度に、

私は聖ヨゼフに一礼し、

診察を開始するようになりました。

穏やかに、

安心し、

患者さんに診察を受けて頂きたいのです。

科学を信じる私ですが、

科学を遥かに越えた【力】の存在も

信じて疑っていません。

私を頼って下さる患者さんです。

神様にお仕えする心で、

歯科医師の務めを果たしたいと思います。

目標は遥か彼方

もう40年近くも、

前のことになったのですね。

2月1日は、

昔から日本歯科大学の受験日です。

東京九段の富士見坂を校舎目指して

登っていた自分の姿が見えるようです。

あの日が、

私のスタートラインだったのだと、

時々に感慨深く、

思い出すのです。

昨日、

母校の医員から小包みが届きました。

論文の束と、

総入れ歯の模型です。

入れ歯を掌で包み、

全角度から視る私の眼が

相当、キツい眼差しだったんでしょう。

スタッフが怪訝な表情で、

どうかなさったのですか?

実に良い入れ歯でした。

考える診療という言葉が

的を得たような総入れ歯。

30代の歯科医師の作品です。

上手な歯科医師が、

母校にて、

確実に育っていることが認識できました。

胸が熱くなりました。

たかが入れ歯と思っていたら、

絶対に上手な歯科医師にはなれません。

入れ歯造りが楽しいなどと、

そんな気持ちで、

上手な歯科医師にはなれません。。

死にもの狂いな程に、

自分を歯に没頭させて、

もがいて、

苦しんで、

ノタウチ回って、

最後に、

なんとか形になってくる、

それが芸事の基礎の基礎です。

掌の上の総入れ歯から、

一坂越えた歯科医師像が

鮮明に伺えます。

清々しい気持ちになりました。

このような立派な青年歯科医師が

一人でも居る以上、

私は新潟へと足を運びます。

私もまだまだ、

上手に成りたい。

お互いに切磋琢磨し、

良い歯科医師を目指そうと。