月別アーカイブ: 2016年10月

徒然なるままに

大学時代の同級生というのは

不思議な存在です。

互いが初老の域に達しているのにもかかわらず、

距離感が10代のままですから。

最近、

山形の山の中で開業している吉澤さゆり女史と

電話で話しをする機会が多いのですが、

この人は、

私の都合の悪い話しをする際には、

とても上機嫌になるようです。

で、ここのホームページの製作を私は協力しているのですが、

若く観えるように無理してでも見せた写真を送れと伝えると、

ナンという事でしょう!

歯科衛生士の白衣を纏った写真を送ってきた

天然降りも、

当時のままでした。

流石にこれには無理があり、

いつも私をからかう仕返しに、

ここで秘かに披露しましょう。

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また、

群馬県にて大学の教授になった浅見博士は、

御内儀に聞かれたくない話題については、

自宅でもない教授室であっても、

小声に変わって、

嬉しそうにと言った具合です。

三枝君であったり、

三枝であったり、

さんチャンであったり、

それぞれが好き勝手に当時のままに

呼んでくれますが、

この頃は、

父兄という立場になった同級生からの

電話も多くなりました。

あぁ互いに歳をとったと感じるのもつかの間、

直ぐに馴染むのは、

私らの母校の性格上からかもしれません。

今月末には、

他県ではありますが、

校友の集まりに呼ばれています。

スライドの内容の準備に取りかかっているのですが、

いつもとは趣旨変えして、

笑えて、

心休まる内容にしたいと考えています。

困った時の内藤、山口頼みです。

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今夜にでも

昔にかえって

両師匠にお知恵を拝借と言った処です。

新患の方がお越しになられたようです。

筆徒然にも、

この辺りにて。

心がけ

テレビなどの報道にて、

凄まじい台風の到来に警戒していたのですが、

静かな空模様の高松市です。

レントゲンについて、

今日はお話しします。

近年のテクノロジーの進歩で、

大半の歯科医院では、

レントゲンはデジタル化されているようです。

私の診療所でも建築の際には

レントゲン撮影室から全ての部屋へ、

デジタル配線をしたものの、

現状はアナログのままです。

フィルムを暗室にて、

昔ながらの手現像にて処理しています。

現像液、定着液、水洗槽の温度管理など、

面倒くさいのですが。

私はイーストマンコダックのフィルムが好きです。

時代遅れだと思われるかもしれません。

が、

CT以外のレントゲンの読影は、

私の現役の間は、

アナログを貫く積もりです。

新しいものが全て優れているとは思いません。

アナログには、

味わいと温もりがあります。

診断におけるレントゲンの位置付けを

とても大切に感じ取っているからこそ、

私はアナログを貫く積もりです。

歯科の治療は、

とても多くの手順の積み重ねから

成り立っています。

その手順の一つ一つの意味を

どれだけ大切に考えているのかは、

医師の裁量権に委ねられています。

ラバーダム防湿などが良い例だと思います。

大学における教育の現場において、

ラバーダム防湿は必須であると、

教え、教えられて半世紀は優に経過しています。

が、

現状はどうでしょう?

私が幼い頃、

鰹節を削る役割を任された時に、

カンナの刃の出具合を

裏に表に、

アチコチから眺めて、

削っては、刃の出具合を調整し、

で、

また削っては調整の繰り返しに

幼なながらにも自分の腕前に

心中で、

自信を持っていたのを思い出します。

治療に先だっての、

診断の根拠の大きなウェイトをレントゲンが担っています。

歯と、歯を取り囲む歯槽骨については、

アナログの方に軍配が挙がると、

私は考えています。

と共に、

【コダワリ】の一つでもあります。

 

何でだろう?

私が、こんな事を言うのもナンですが、

【新患】の患者さんが多いのには驚いています。

仰け反るほどにビックリ!

私の診療所は【健康保険診療】はしていません。

通常、保険の利かない歯科医院は【いくらボッタクラレル!】のか!

内心で、敷居が高いと敬遠されがちなのですが。

私が健康保険の診療をしないのは、

大きな訳があります。

私が健康保険の診療を行えば、

この狭い地方都市です。

他の歯科医院が潰れるからです。

だって値段が同じなら、

私の診療所に来るでしょう。

むかーしは、私も保険診療をしていました。

私の体がモチマセンでした。

朝早くから夕方遅くまで、

完全時間管理されたシステムを組んで、

ラバーダム防湿も保険でも私はキチンとしていましたし、

仕事が終わってからは多い時で歯科技工士が3人居ましたもの。

夜の遅くまで、

歯科技工士の指導や仕事のチェックし、

クタクタになりました。

で、

自分のしたい仕事からは程遠かったですね。

強気ですみません。

私が心変わりして、

健康保険診療を始めた時は、

高松市内の歯科医院は脅威だと思いますよ。

ただ今は、

私は【本当に歯で困っている患者さん】だけに、

自分の時間を使いたいと思っています。

今、歯医者さんは大変な不景気に悩んでいるようです。

患者さんが来ないのだそうです。

皆で、その原因を

歯科医師過剰と世の中の不景気にしているようです。

馬鹿ですよね。

患者さんが来ないのは、

患者さんに支持されていないだけ。

その癖、物識り顔で、

ホームページで嘘っぱちの自己理論を展開し、

観てて哀れですよね。

で、

患者さんが来たと思ったら、

健康保険医の癖に、

健康保険では良い治療は出来ません!だと宣う。

それならお前が健康保険の資格を国に返上してから

自由診療やってみろ!と、

私は思いますがね。

患者さんがみんな、判って来たんだと思います。

中途半端な治療で誤魔化して贅沢してきた奴に、

キチンとした仕事は出来ないと言うことが。

当たり前ナンですが。

毎日の大半を健康保険の治療しかしていない歯科医が、

たまの自由診療なんかキチンとできる筈ないでしょう?

その癖して、

値段だけはアメリカの専門医なみを吹っ掛けるンですから。

しないから、そんな事ができるンでしょうね?

料亭には料亭の仕事。

飯屋には飯屋の仕事。

勘違いは恥ずかしいと思いますがね。

ハッキリ言うから、

浮いちゃうンですよね。

私は歯科医の味方ではありません。

患者さんの味方ですから。

 

サイナスリフトの経過

上の奥歯の部分にインプラントと入れようにも、

上顎洞との距離が小さく、

長いインプラントが入れられない症例に対して、

上顎洞底粘膜を挙上して大きな空間を造り、

骨補填材料をその空間に充たして、

インプラントを入れる手法を、

サイナスリフト、上顎洞底挙上手術と言います。

上顎洞の粘膜を破らないように剥離しなければなりません。

繊細な手技を必要とする手術です。

この症例は、

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欠損部分の両脇の歯は健全歯である事から、

ブリッジを選択しないで、

インプラントにて修復することにしました。

欠損部分の骨の高さが小さい事がレントゲンから伺えます。

欠損部分の骨の質は良好でした。

サイナスリフトとインプラントの併用手術を行いました。

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インプラントの先端部分に、

アーチ状になった不透明な骨補填材が見えると思います。

粘膜が破れてしまうと、

この様なキレイなアーチは出来ません。

で、

粘膜部分の厚さに調整したアバットメントを装着した処です。

骨補填材料が完全に、

自己の骨に置き換わっている事が確認されます。

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このインプラントは、十分な健康骨組織に守られて、

安定した機能を回復し、

長期に維持できるでしょう。

歯科衛生士の背中姿

私の診療所の歯科衛生士の宮田君の仕事姿です。

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治療に入る前に、

患者さんのお口の中を綺麗に清掃、消毒するのが

私の診療所のルールです。

私が几帳面であることを否定する人は居られんでしょう。

機材もテーブルの上に、

私の好みの並べ方ってのがあって、

順番通りに置かれています。

診療所の治療椅子に座ってから廻りを見渡して、

余計なモノが在るのも私は嫌います。

在庫の段ボールなんかや、

他の準備待ちの滅菌パックを入れた戸棚だとか。

歯科衛生士の仕事の姿勢を

時々に私はチェックしています。

手仕事には、

どうしても【癖】が出てくるものです。

コレが厄介の種。

野球選手がビデオで撮影した自分のフォームを

何度も、毎回、

確認して修正するのと同じです。

このカメラの役目を私がしている訳で。

後ろ姿ってのは、

とても大切なんだと、

私自身も決して見えませんが、

注意しています。

治療成功の鍵

インプラントを希望されてお越しになられた患者さんのレントゲンです。

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ブリッジの治療がなされていました。

後ろの土台部分の歯は生きています。

対して、前の土台の歯は神経を採った死んだ歯であった模様。

根が真っ二つに折れています。

随分と長く放置されたことが、

レントゲンから伺えます。

折れた歯の根が、異物反応によって排除されています。

先ほど、抜歯しました。

切開し、

粘膜を開いて、

不良な肉芽組織や感染組織を徹底的に取り除き、

新鮮な骨面を露出させました。

一部分は骨が薄くなって、

上顎洞に交通していました。

上顎洞粘膜は炎症にて破れる寸前。

てな事を、

肉眼で必ず確認して、

一月後に、

上顎洞底挙上手術へと。

ステップ、ステップをキチンと踏むことが治療成功の鍵です。

本物志向

私の日常は質素そのものです。

外食も殆んどせず、

ブランド品など身に纏っていません。

規則正しい日々を過ごして、

年を重ねています。

ただ、気を配って心がけてきたことがあります。

【本物に触れる】です。

良き時代を過ごせた幸運に恵まれました。

ですから逆に、

【本物】の稀少さも感じています。

歯科医である知人から、

しばしば耳にする台詞があります。

「 三枝は自由診療だから、良い治療ができるんだ」

私は内心で、

「 保険診療辞めて、自由診療一本でやってみぃ!」

断言しましょう。

日本の医師、歯科医で、

健康保険に頼らず、

自由診療で食ってゆけるのは

1割以下です。

私が何故、健康保険の治療をしないのか?ですか?

先生の思うようにしてくださいと言う患者さんしか

お越しにならないからです。

私は健康保険の診療を否定しません。

誰でもが、

必要な時に、

必要な治療が受けられる。

素晴らしい制度だと思います。

が、

制度の疲労は否めません。

後を絶たない不正請求。

護送船団方式の守られた医療業界のぬるま湯に馴れた、

不勉強な医療人。

サービスとホスピタリティの違いも判らない

医療の現場。

医療とは、

人のかけがえのない大切な身体を与る仕事です。

患者さんを尊重しつつ、

それでも、

石のような医療倫理と治療哲学を持たねばなりません。

私は【良質で正直な治療】を自身の手当ての特徴だと思っています。

ポルシェに乗って、デタラメな治療をする医者にはなれません。

診療所は私の舞台ですから、

私は徹底的にこだわります。

が、

一歩、診療所から足を踏み出したならば、

私はただのオジサンでしかありません。

ただし、笑顔でタシナミあるおじ様で在りたいとは思っています。

違いの判る人の歯科医院

歯科の治療に大きな差があることを

何となくお感じになっては居られるでしょうが、

その大きな差がどれ程か?

までは、素人の方には判らないと、

プロの私でさえ、思います。

私らの仕事は【精密仕事】です。

また、感染性の微生物に曝されていることを

十分に認識した上で、

徹底的な感染防止対策を施す環境造りに

気配りしなければなりません。

ですから、

仕事の性格上、

細かで、

清潔、

整理整頓、

コレが基礎の基礎になります。

人工の歯を造る際も同様です。

私ら歯科医は精密に詳細をも逃さない記録となる

正確な歯型を採れなければなりません。

採らなければではなく、

採れなければであることに気づいてください。

正確、精密な歯の型を基に、

歯を造る作業が行われます。

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これは私の日常レベルの模型です。

対して、

これは他の歯科医院と歯科技工所のコラボレーションです。

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セラミッククラウンを製作されたようです。

日本は精密機械の得意なお国柄です。

カメラ、時計等々、

その製造現場の整然と綺麗なこと。

歯科医は歯の職人です。

職人とは本来、こだわりに、こだわり抜く者。

数寄屋橋次郎の厨房の床は、

舐めても良い位に清潔であることは衆目の知る処です。

私には、この模型からの仕事すべてが汚いとしか評価できません。

こういった処は、

患者さんには見えない部分です。

が、

見えない処も見える眼を養うこと、

違いの判る素人であることが、

ご自身の健康の維持には

必要な時代となった気がします。

治療を提供する側である私も、

歯科医の仕事の差に大きな意味を持たない方には

来て頂きたくありません。

本当に歯で困って、

助けて!と、

そういう患者さんのために

私は日々の研鑽を行っています。