日別アーカイブ: 2016年10月1日

歯科衛生士の背中姿

私の診療所の歯科衛生士の宮田君の仕事姿です。

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治療に入る前に、

患者さんのお口の中を綺麗に清掃、消毒するのが

私の診療所のルールです。

私が几帳面であることを否定する人は居られんでしょう。

機材もテーブルの上に、

私の好みの並べ方ってのがあって、

順番通りに置かれています。

診療所の治療椅子に座ってから廻りを見渡して、

余計なモノが在るのも私は嫌います。

在庫の段ボールなんかや、

他の準備待ちの滅菌パックを入れた戸棚だとか。

歯科衛生士の仕事の姿勢を

時々に私はチェックしています。

手仕事には、

どうしても【癖】が出てくるものです。

コレが厄介の種。

野球選手がビデオで撮影した自分のフォームを

何度も、毎回、

確認して修正するのと同じです。

このカメラの役目を私がしている訳で。

後ろ姿ってのは、

とても大切なんだと、

私自身も決して見えませんが、

注意しています。

治療成功の鍵

インプラントを希望されてお越しになられた患者さんのレントゲンです。

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ブリッジの治療がなされていました。

後ろの土台部分の歯は生きています。

対して、前の土台の歯は神経を採った死んだ歯であった模様。

根が真っ二つに折れています。

随分と長く放置されたことが、

レントゲンから伺えます。

折れた歯の根が、異物反応によって排除されています。

先ほど、抜歯しました。

切開し、

粘膜を開いて、

不良な肉芽組織や感染組織を徹底的に取り除き、

新鮮な骨面を露出させました。

一部分は骨が薄くなって、

上顎洞に交通していました。

上顎洞粘膜は炎症にて破れる寸前。

てな事を、

肉眼で必ず確認して、

一月後に、

上顎洞底挙上手術へと。

ステップ、ステップをキチンと踏むことが治療成功の鍵です。

本物志向

私の日常は質素そのものです。

外食も殆んどせず、

ブランド品など身に纏っていません。

規則正しい日々を過ごして、

年を重ねています。

ただ、気を配って心がけてきたことがあります。

【本物に触れる】です。

良き時代を過ごせた幸運に恵まれました。

ですから逆に、

【本物】の稀少さも感じています。

歯科医である知人から、

しばしば耳にする台詞があります。

「 三枝は自由診療だから、良い治療ができるんだ」

私は内心で、

「 保険診療辞めて、自由診療一本でやってみぃ!」

断言しましょう。

日本の医師、歯科医で、

健康保険に頼らず、

自由診療で食ってゆけるのは

1割以下です。

私が何故、健康保険の治療をしないのか?ですか?

先生の思うようにしてくださいと言う患者さんしか

お越しにならないからです。

私は健康保険の診療を否定しません。

誰でもが、

必要な時に、

必要な治療が受けられる。

素晴らしい制度だと思います。

が、

制度の疲労は否めません。

後を絶たない不正請求。

護送船団方式の守られた医療業界のぬるま湯に馴れた、

不勉強な医療人。

サービスとホスピタリティの違いも判らない

医療の現場。

医療とは、

人のかけがえのない大切な身体を与る仕事です。

患者さんを尊重しつつ、

それでも、

石のような医療倫理と治療哲学を持たねばなりません。

私は【良質で正直な治療】を自身の手当ての特徴だと思っています。

ポルシェに乗って、デタラメな治療をする医者にはなれません。

診療所は私の舞台ですから、

私は徹底的にこだわります。

が、

一歩、診療所から足を踏み出したならば、

私はただのオジサンでしかありません。

ただし、笑顔でタシナミあるおじ様で在りたいとは思っています。

違いの判る人の歯科医院

歯科の治療に大きな差があることを

何となくお感じになっては居られるでしょうが、

その大きな差がどれ程か?

までは、素人の方には判らないと、

プロの私でさえ、思います。

私らの仕事は【精密仕事】です。

また、感染性の微生物に曝されていることを

十分に認識した上で、

徹底的な感染防止対策を施す環境造りに

気配りしなければなりません。

ですから、

仕事の性格上、

細かで、

清潔、

整理整頓、

コレが基礎の基礎になります。

人工の歯を造る際も同様です。

私ら歯科医は精密に詳細をも逃さない記録となる

正確な歯型を採れなければなりません。

採らなければではなく、

採れなければであることに気づいてください。

正確、精密な歯の型を基に、

歯を造る作業が行われます。

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これは私の日常レベルの模型です。

対して、

これは他の歯科医院と歯科技工所のコラボレーションです。

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セラミッククラウンを製作されたようです。

日本は精密機械の得意なお国柄です。

カメラ、時計等々、

その製造現場の整然と綺麗なこと。

歯科医は歯の職人です。

職人とは本来、こだわりに、こだわり抜く者。

数寄屋橋次郎の厨房の床は、

舐めても良い位に清潔であることは衆目の知る処です。

私には、この模型からの仕事すべてが汚いとしか評価できません。

こういった処は、

患者さんには見えない部分です。

が、

見えない処も見える眼を養うこと、

違いの判る素人であることが、

ご自身の健康の維持には

必要な時代となった気がします。

治療を提供する側である私も、

歯科医の仕事の差に大きな意味を持たない方には

来て頂きたくありません。

本当に歯で困って、

助けて!と、

そういう患者さんのために

私は日々の研鑽を行っています。