朝いちばんに、今日の患者さんの予定表に眼を通すのが日課です。
今朝もいつもの様に、予定表の表紙を開いて観れば
懐かしいお名前が目に入り、思わずカルテを開いた私です。
そのうちに、その患者さんがいらっしゃいました。
ー 〇〇さん、お久しぶりです。お元気でいらっしゃいましたか? ー
と、かたち通りの挨拶から始まって、お互いがお互いに歳をとったと認めつつ、
話が盛り上がってしまいました。
ー よく噛めててね、どうにもないから来なくて良いのかと思ってたわ! ー
ー いやいや、〇〇さん、半年に一回は見せてと言ったのに!ボケるの早いんじゃ? ー
ー まぁ!先生、口の悪いのはお相変わらずね! ー
ニコニコしながらの私と患者さんのヤリトリをスタッフの宮田君は、これもいつもの事と
診療の準備に勤しんでおりますのも恒例行事です。
ー で、今日はどうなさいました? ー
と、やっとの事で本題に入り、
私が20年前に造った入れ歯を落として、割れたのが再来の理由でした。
この患者さん、私が入れ歯をお作りしてからの20年間、全く入れ歯の調整を受けておりません。
昔の入れ歯を手にとって、よく頑張って働いてくれたね!と心の内で入れ歯に話しかけて
ー 〇〇さん、とりあえずはこの入れ歯をコピーして、新しいのに造り変えようね! ー
ー 先生、同じのにしてよ!よく噛めたから! ー
ー 〇〇さん、半年に一回は来てよ!今度はボケんとってよ! ー
と、再びのヤリトリに、予定の時刻を大きくうわまわってしまいました。
なにか温かな心持ちとなって、ブログを書こうと机に向かって次の患者さんを待つ私です。