超高齢化時代に突入した我が国です。
先日、日本歯科医師会新聞に興味深い記載がありました。
現状、日本歯科医師会の会員のなん4分の1が65歳以上であるとの事です。
私は、この4半世紀、インプラント治療に携わってきました。
この10年は、毎日、インプラント治療をしています。
私が携わった患者さんも、今では随分と高齢になられています。
身体が不自由になり、寝たきりになった方も増えました。
私は自分の患者さんに限って、往診をしています。
自分の仕事の経過を長く拝見したいのと、
ありがたい事に、私以外に口の中を見せたくないと仰って下さる患者さんが多いのが
私が往診をする大きな理由です。
私なりの訪問診療のスタイルも、やっと完成したように思っています。
皆さんが、ありがたい事に、実費での費用負担してくださり
私の満足する手当てが出来ていると思っています。
以前、施設に訪問診療に出向いた時期がありました。
その際には、私の患者さん以外の方ばかりで、
正直云って、私は途方にくれました。
私は、歯科治療こそ、先の先を見据えて診療計画を建てて治療を行わねばならぬ事を
この時ばかりは、実感したものです。
インプラントは直接に圧力がかかっていなければ、骨との結合が壊れていきます。
不幸にして脳疾患等に罹患して、思うような咀嚼が出来なくなったときに
次の手順を準備しておく必要性があります。
私の診療所へ、初めてお越しになられる患者さんの口の中にも
インプラントが為されているのも珍しい事ではなくなりました。
が、悲しいかな!
それらのインプラントの全てに、もしもの時の配慮がなされておりません。
同じ患者さんを、ながーく見続ける事は本当に大切です。
これ等から得た情報は、どんな教科書よりも為になることを実感させられます。
今の見掛け、今の快適な咀嚼は勿論のことながら、
将来のもしも!への配慮も、インプラント治療には絶対に必要な事です。