カテゴリー別アーカイブ: ただの日記

原点に還る

若い時分に、

師匠である内藤先生が、

ご自身の診療所へ、

ロバート.リー先生をお呼びした機会が在りました。

開発者であるリー先生自ら、

パナデント咬合器の

メカニズムと考え方、

そして、

実際の使用方法と診断を

学ぶためでした。

師匠のご厚意にて、

私は師匠の背中に隠れるようにして、

当時の咬合学の巨星が

大げさなゼスチャーで、

師匠に語るのに夢中だったのを

今でも鮮明に覚えています。

パナデント咬合器システムを購入するには

当時の私には大きな勇気が必要でした。

一応、開業医ではありましたが、

借金の返済やテナント代、

それと、

アチコチへと勉強に出向くための交通費、

講習会費用の大きさは、

患者さんには想像できない位に

莫大なモノだったからです。

普通の会社員の方の経済状況の方が

絶対に裕福だったと断言できますよ。

当時の私は、

喉が乾くほどに、

歯科医学の吸収に必死だったと

振り返って、

そう感じています。

このパナデント咬合器と供に

四半世紀の診療生活を送っています。

歯科治療においては、

多くの【物指し】を持たねばなりません。

保存学的な物指し。

補綴学的な物指し。

外科的な物指しなどなど。

新しい治療方法や治療素材を評価する際には、

この【物指し】の精度が大切になります。

私の診療所は、

本当に歯で困った方がお越しになられます。

これからも、

私の自分の物指しの精度を磨かねばなりません。

それが医師の務めだからです。

 

 

笑顔

ニコニコ笑顔で過ごすようになったなら、

何かが、

変わることに、

嫌でも気づくことでしょう。

自分の身体を包み込む

空気の温度さえも

変わってくるのに

気づくでしょう。

ですから、

泣きたい時も、

怒りの絶頂にあっても、

ニコニコして下さい。

頬の筋肉がひきつっても、

頑張って、

笑顔で居て下さい。

いやはや

経験上、

良いと評価したモノの全般において、

息子には、

積極的に、

否、

半ば強制的に、

勧めてきた私の姿勢ですが、

これだけは父ちゃんの真似はすんなよ!

と、

大晦日の朝、

カトリックのミサへと

息子を連れだったのです。

非常に良いミサでした。

で、

息子の顔を覗きこむ私。

判っとるよ、父ちゃん!

ご先祖さまの仏壇と墓のお世話だろ?

おう!

判ってるな。

何から何まで、

自分のしたいように生きた私ですから、

端の者は大変でしょうな。

そんなこんな考えながら、

歯の痛さを堪えつつ、

何冊かの書籍に眼を通す休日を過ごさせ頂きました。

 

正月早々歯が痛い!

正月の早々に、

恥ずかしいのですが、

歯が痛い!

ヤバい!

マズイ!

再来週に上京した序でに

新潟まで出向いて、

新海先生に頼もうと、

夜になって、

ヤットの覚悟で、

先生の携帯電話に電話したのです。

でも、

それまで、

もつんでしょうか?

鏡の前で、

大口開いて、

自己診察。

左下の第1大臼歯にヒビか!

喰いしばってたからな!

症状から、

これからどうなるのかが

診断できるんですが、

東京では、

銀座の天ぷら近藤へ、

内藤先生と行く予定なんです。

そんな余裕あるんでしょうか?

頬が腫れてルンじゃないか?

今日、明日と云う位の

緊急性が在ると

判ってルンですが。

補綴治療ならば内藤先生にお願いするんですが、

痛いのには、

保存治療ですから、

やっぱり新海先生かと。

さぁ、

明日の診療初めの前に、

自分で自分の歯のレントゲンを撮影して、

新潟までに、

どうしのごうか?

思案に暮れるのです。

 

羽ばたく今年

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になり、

ありがとうございました。

本年も宜しくお願い申し上げます。

元旦の朝、

息子を伴って、

息も凍るほど外気冷たい、

伊勢神宮へと参拝へと。

当地は日本人にとっての聖地です。

日本の大人の男としての参拝の作法を観せて、

私の父として息子に知らせる初等教育が終わったのです。

今年からは、

もう一度、

私は羽ばたく積もりです。

ただし、

若い時分よりも、

もっともっと大きな翼で、

ゆっくりと空を掻くように

舞い上がる積もりです。

大晦日のミサ

大晦日の今日、

伊勢市まで足を伸ばしました。

息子に運転を任せ、

助手席はご覧の通り。

で、

早朝、

カトリック教会を見つけたのです。

お伊勢さんの本拠地なのに、

立派な教会で驚きました。

朝のミサに参加させて頂く積もりです。

ご先祖さまのお仏壇とお墓を託した息子には、

父ちゃんが生きてるうちはご供養は責任をもって、

キチンとします。

でも、

ミサは一遍、一緒に行ってみぃ!

心が洗われる想いになるぞ!

でも、

入信はアカンぞ!

誠ながら勝手な父振りは、

今年も相変わらずといった処でしょうか?

笑顔を創る

まだ途中なんですが、

ここまできましたよ!

最初は正直な処、

頭を抱えました。

これが初診の際のお写真です。

で、

お口の中から塊として、

インプラントの成れの果てです。

治療した本人の歯科医師も、

何軒か門を叩いた歯科医院からも、

丁重にお断りされたそうです。

骨も顎の関節も、

大変な損傷を受けておられます。

治療は未だ途中ですが、

段々の変化!に、

患者さん自身が、

歯に興味を持って、

治療に協力して下さっています。

私の診療所は、

本当に歯で困った方がヤット見つけて、

訪ねて来て下さいます。

来年からも、

もっともっと精進します。

なんとか1年の終わりを迎えることができそうです。

 

今日

この頃、

調べモノが多いので、

診療所へは

朝の7時には来ています。

診療が10時からですので、

ある程度、

計画的な調べモノは進んでいます。

朝の1番の患者さんは初診でした。

年末年始の休暇に入りますし、

修復するには、

プラークコントロールができていません。

歯科衛生士の宮田君に交代し、

歯茎の健康が整うように、

両者に修復処置のための環境を作って貰うことになりました。

次はインプラントの患者さんです。

今日もお昼休み返上になるでしょう。

夕刻から総入れ歯の患者さんです。

難症例です。

気合いを入れて!

そのような今日を過ごしています。

ドアの前に立つ娘

最近、

学生諸君に対してレポートの提出を求めると、

出されたモノを観て、

愕然!唖然!

とする機会が多いのです。

何故って?

皆さんが、

インターネットのウィキペディアからの丸写し!

学問の道に近道は無し!

図書館に隠って、

多くの文献から、

自分の頭で纏めて、

考え、

それが私らの時代でしたもの。

何故、

朝から、

そのような話題をとお思いでしょう?

中学1年の娘の冬休みの宿題の介添えですよ。

テーマが【ハンセン氏病】です。

単なる感染症であれば、

中学生程度に解り易いテキスト数冊を渡して、

さぁ、頑張りなさい!

でお仕舞いなのですが、

【ハンセン氏病】には悲しい歴史が在ります。

沢山の怒りや恨みと苦しみ、

涙と寂しさ、

絶望の歴史が在ります。

差別と偏見に満ちた歴史が在ります。

教師が、

このテーマを選んだには、

単なる自然科学のレポート内容に、

ある【何か】を気づかせたいと云う

意図を感じています。

デリケートな処から逃げるのではなく、

デリケートだから関わらないのではなく、

デリケートだからこそ、

【よく考えて欲しい】と云うことだと思います。

試験勉強の際の家庭教師を年甲斐もなく

させられたお陰で、

現状の理科の知識レベルは判っています。

ですから、

今、

娘は本当の自然科学の扉を開ける瞬間です。

ヒヨコは最初に見たモノを親と認識するのだそうな。

嘘か本当か判りませんが。

初めて手解きするキッカケの大切さを、

私の経験から、

とても大切に考えています。

娘から相談を受けての2~3日、

学生時代の教科書なり、

最近になって買い求めた細菌学の専門書に

眼を通すものの、

教師の狙いに沿う適格なものが無いのです。

親って、

本当に馬鹿ですよね!

で、

先ほど母校の細菌学講座に電話し、

主旨を話した処、

これはデリケートで、

難しい宿題ですね!

人間教育と云う概念の眼鏡から選んだ

書物や資料を探して送りましょう。

ありがたい言葉に感謝したのです。

【人間教育と云う概念】と云う言葉を

無意識に言われたことに、

あぁ、うちの大学は大丈夫だと、

安堵したのです。

娘を、

どう導こうか?

自然科学のドアの向こう側に

素晴らしい世界が拡がっていることを

是非とも感じて貰いたいと。

ここが所謂、

文系か理系かの別れ道ですね。

 

 

 

 

 

 

修復は形が命

上の奥歯の歯周外科後の所見です。

前医の治療したセラミッククラウンとメタルクラウンは

まだ外していません。

修復物の形態が悪いと、

歯周組織は壊滅的になります。

その条件を全て満たした修復です。

神経を採った歯であれば、

修復物を先に外して外科するのが常ですが、

この症例は生活歯であったために、

考えあって、

既存の修復物を取り囲むように、

歯周外科を行いました。

歯肉は未だ熟成の最中です。

ここで、

旧修復物を取り外し、

仮の歯に交換したのです。

ここから、

仮の歯の特性を生かして、

噛み合わせ調整に入ります。

歯は微妙に動きます。

カーボン紙での上下の接触が、

この所見です。

次回のアポイントの際には、

もっと多くの接触点が確認されるでしょう。

ここに仮の歯の面白さが在ります。

マニアックな治療ですが、

これが楽しいのです。