ドアの前に立つ娘


最近、

学生諸君に対してレポートの提出を求めると、

出されたモノを観て、

愕然!唖然!

とする機会が多いのです。

何故って?

皆さんが、

インターネットのウィキペディアからの丸写し!

学問の道に近道は無し!

図書館に隠って、

多くの文献から、

自分の頭で纏めて、

考え、

それが私らの時代でしたもの。

何故、

朝から、

そのような話題をとお思いでしょう?

中学1年の娘の冬休みの宿題の介添えですよ。

テーマが【ハンセン氏病】です。

単なる感染症であれば、

中学生程度に解り易いテキスト数冊を渡して、

さぁ、頑張りなさい!

でお仕舞いなのですが、

【ハンセン氏病】には悲しい歴史が在ります。

沢山の怒りや恨みと苦しみ、

涙と寂しさ、

絶望の歴史が在ります。

差別と偏見に満ちた歴史が在ります。

教師が、

このテーマを選んだには、

単なる自然科学のレポート内容に、

ある【何か】を気づかせたいと云う

意図を感じています。

デリケートな処から逃げるのではなく、

デリケートだから関わらないのではなく、

デリケートだからこそ、

【よく考えて欲しい】と云うことだと思います。

試験勉強の際の家庭教師を年甲斐もなく

させられたお陰で、

現状の理科の知識レベルは判っています。

ですから、

今、

娘は本当の自然科学の扉を開ける瞬間です。

ヒヨコは最初に見たモノを親と認識するのだそうな。

嘘か本当か判りませんが。

初めて手解きするキッカケの大切さを、

私の経験から、

とても大切に考えています。

娘から相談を受けての2~3日、

学生時代の教科書なり、

最近になって買い求めた細菌学の専門書に

眼を通すものの、

教師の狙いに沿う適格なものが無いのです。

親って、

本当に馬鹿ですよね!

で、

先ほど母校の細菌学講座に電話し、

主旨を話した処、

これはデリケートで、

難しい宿題ですね!

人間教育と云う概念の眼鏡から選んだ

書物や資料を探して送りましょう。

ありがたい言葉に感謝したのです。

【人間教育と云う概念】と云う言葉を

無意識に言われたことに、

あぁ、うちの大学は大丈夫だと、

安堵したのです。

娘を、

どう導こうか?

自然科学のドアの向こう側に

素晴らしい世界が拡がっていることを

是非とも感じて貰いたいと。

ここが所謂、

文系か理系かの別れ道ですね。