フラップレス.インプラントと云う手術方法があります。
インプラントを骨の中に入れ込む手術の際に、粘膜を切開して開くことなく、
ドリルで直接、粘膜の上から孔を開ける手法を用いる手術です。
利点は、粘膜を切り開く事が無いので、患者さんの受けが良く、腫れも少ない事です。
が、大きな落とし穴があります。
骨の上には粘膜があります。
この粘膜には厚みがあり、実際の骨のテッペンは粘膜を剥離していないので手術中には見えません。
ですから、インプラントを入れるにあたって、インプラントの最上部が完璧に骨で被われているのかの確認が出来ません。
インプラントの最上部は、細菌感染の入り口です。
完全に骨に覆われていないといけません。
手術前に予めCTを撮影して手術用のガイド.マウスピースを作製して、骨のテッペンを予め把握して
手術を行うと云う方法も紹介されています。
理屈としては面白いのですが、実際には現状のCT機器の解析能力では、骨の微細形態は認識できません。
近代歯周病学の父と唱われるイエテボリ大学のリンデ先生は次の様に述べられています。
ー 私は実際に自分の眼で確認した骨の形、質しか信用しない ー
インプラント治療を慎重に行うとするならば、私はやはり、フラップレス.インプラントはお奨めできません。