師弟関係


昨夜、

湯船の中で、

大の字になって寛いでいたら、

脱衣場から携帯電話が鳴り響いています。

急患かも?

直ぐに相手を見てみたら、

師匠である内藤先生からでした。

即座に、

着信ボタンを押しながら、

風呂場のエコーがバレないように、

ドアを開き、

で、

「 おう!三枝君!今から読み上げるから、直ぐにペンと紙を用意せぃ!」

少々、お待ち下さいと、

フルチンの全裸姿で、

2階のリビングへと走り、

犬たちが異変にワンワン大騒ぎ。

受話器の向こう側では、

犬たちの騒ぎが聞こえルンでしょうね。

師匠が奥方に、

「三枝君ちの犬たちが遊べと大騒ぎダな!ワッハッハ!」

眼鏡がないので、

とにかくペンと封書を掴んで、

風呂へとリターンする私。

風邪でもひいたら大変ですから。

で、

「 え~、これから読み上げるのを記述して下さい!」

ヤバい!

眼鏡が無いぞ!

何も見えないぞ!

師匠の言葉が次々と発っせられます。

私は速記で対応。

なんとか、

この場をしのごうと。

すると、

「三枝君!今のを声に出して読みなさい!」

え~!

自分の書いた字が見えないのです。

詰まりながら、

声に出して読み上げる私。

「え~い、違うだろ!そこは にじゃなくて を  だろ!」

「はい、もう1ペン!」

間違いを指摘されながら、

ようやくキチンと読み上げたのです。

で、

私の原稿のご指導を頂きました。

師匠は非常に良い文章を書かれます。

細かく、

丁寧に、

厳しく

教えて頂きました。

「よし!今日は少々厳しかったかな?まぁ今から犬たちと遊んでやりなさい!」

風呂の湯船の中で呆然となるマヌケな私。

でも、

ありがたいことですよ。

こうやって、

30年、

師匠から教えを頂いたのですから。

ただ、

この話しを聞いた人から聞かれたのです。

何故、入浴中なので、

後から電話と言わないのかと。

私の考えは、こうです。

師弟関係は絶対的です。

口応え、

自己都合、

私は絶対にできません。

あくまでも、

師弟の都合に合わせるのがルールだと。

他人はどうであれ、

私は師匠、

特に内藤先生に対してだけは、

絶対に自分の都合は言えないのです。