歯の表面を覆っている
人の身体の中で一番硬い構造を持つエナメル質。
このエナメル質を取り除くと
象牙質と云う組織が
歯の中心部にある歯の神経を
取り囲む様に
包んでいます。
硬い硬い歯ですが
この象牙質は
決して石ッコロの様な
単純な構造ではありません。
細い細いストローの様な中空の菅が
沢山束ねられた様にして
象牙質を形作っています。
中空の菅の一端は神経の側に
もう一端は歯の表面へと
言い替えれば、
歯の中心部から表層へと
中空の菅が束ねられて
象牙質は形成されています。
歯を削り、
エナメル質が取り除かれると
この象牙質が剥き出しになります。
歯を削った際に、決して神経を触った訳ではないのに
激しい痛みを感じるのは
歯を削った先の向こう側の神経まで
中空の菅を通して繋がっている為です。
この中空の菅から神経側から
歯の全体に渡って栄養が送られてもいます。
私達はこの中空の菅を象牙細菅と呼んでいます。
この象牙細菅の中に細菌が侵入してしまうと
後々厄介な事になります。
歯の治療が終り
人工物で封鎖した内側で
象牙細菅の中に侵入した細菌が
活動を始めます。
歯の治療が終わった歯が
後々になってから
痛みだしたり
神経が死んでしまう原因の大半が
細菌の感染に由るものです。
三枝デンタルオフィスでは
削った歯の表面に対して
化学的な処理を行います。
文献的に酸溶液で削った歯の表面を
処理する方法もみかけられますが、
この方法では
象牙細菅を形作っているコラーゲン繊維が
壊されて歯そのものが傷んでしまいます。
そこで特殊な溶液を使い分けて
歯を傷める事がなく
象牙細菌の中に侵入した細菌を殺菌し、
加えて
象牙細菌の中に細菌が侵入出来ない様に
完全封鎖してしまいます。
これが歯科保存学の最先端治療です。
この辺りは決して、患者さんには気づいて頂けませんが
プロとしての心意気であると
私は思っています。