幼い頃には、
相当な利かん坊だった事を覚えています。
然られて、
押入れの中に入れられた。
私ですか?
半ズボンからオチンチンを出し、
押入れの中じゅうに
オシッコをかけ回ったのを
鮮明に覚えています。
それからと云うものの、
二度と押入れに入れられる事は無くなりました。
先日、
倉敷市中央図書館へと
再び足を運び、
帰りに、
美観地区へと足を伸ばしたのです。
で、
懐かしいモノを見つけて、
再び幼い頃の記憶が甦ってきたのです。
幼い頃と云っても、
小学校へ上がるズッと前。
幼稚園の年少の頃でしょう。
何故わかるのかって?
幼稚園の年長組の年に、
新しい家へと引っ越したからです。
それ以前には、
当時、家業の業績がかんばしくなく、
町営の長屋、
それも二間で、
しかも風呂など無い暮らしでした。
良く覚えています。
自転車のハンドルに掛けられた小さな椅子に
チョコンと座って、
走る際の風を顔で楽しんでいました。
年に1度か2度、
銭湯の帰りに、
小さなパン屋が在ったんですが、
そこで、
出来立てのクリームパンを買って貰うんです。
本当に神様の味がしましたね。
こんな美味しいモノ在るのか!
客人が訪ねて来られた際には、
お茶と漬物を
お盆に捧げて持って行くような子だったそうな。
貧しい暮らし向きも
私は幼児期に経験しているのです。
何方かが、
お土産にくれたのでしょうか?
倉敷市の橘香堂の名物むらすずめ。
コレが当時の私には、
どこかが印象的だったのでしょうね。
粘土細工でも、むらすずめ。
むらすずめのコピー造りが高じて、
オチンチンの玉の皮を両手で引っ張り、
可愛いらしかったオチンチンを餡こに見立てて、
包みこみ、
マジックインキで、
皮にテンテンを記入する。
ほ~ら!
コレが自慢のむらすずめじゃあ!
商家でしたので、
みんなの方に向かって、
走り回っていた
恥ずかしい過去を
店の看板を前にして、
瞬間に、
鮮明に、
思い出したのです。
コレは絶対に買って帰ろうと、
お仏壇のご先祖さまの分と、
娘たちへの土産物として。
自宅に帰りまして早速に、
お仏壇にお供えして、
熱い一保堂のほうじ茶と煎茶、
で、
灯明とお線香。
なんかご先祖さまが喜んで下さっているような
そんな良い気分になれましたね。
娘たちですか?
普段は、
今時の子供には珍しくどら焼きが好きな娘たちなんです。
が、
私が幼い頃の思い出を語ったのが災いしたのでしょうか?
パパは本当にお下品な人ね!
昔と違って、
今はひとつひとつセロハンで包まれています。
誰ひとり、
食べようとはしてくれない
可愛そうなむらすずめなのです。