上越新幹線の車窓から越後平野をぼんやりと眺めていました。
20代に観た風景と変わりありません。
肉体的に私は歳を経りましたが、
連峰の山々など自然界は昔のままであることに、
儚い人の一生について想いを巡らせていました。
肉体的成長は終わっていても、
人間的成長はいつまでも可能であり、
また、すべきことである。
その際の成長とは、
伸びてゆくよりも熟してゆくこと。
この言葉に出会って以来、
素直さと謙虚さが【成熟】の鍵であることに
気がつきました。
弥彦山が視界に入れば、
直ぐに新潟市です。
その頃から私はそわそわするのです。
棚上の鞄を手元に下ろし、
でも、ジッとできずに出口前まで早々と移動し、
窓に額を付けんばかりに新潟市の街並みに見いっています。
ドアが開いた瞬間、
新潟の匂いが鼻腔に拡がります。
足早にバス停へと向かい、
大きく深呼吸するのです。
萬代橋が観えたら、
あぁ帰ってきたのだと。
荷物を宿に置いて早々に、
柾谷小路へと出でて、
いつもの散歩道を歩くのです。
今年最初の新潟です。
神棚にお祀りしている白龍大権現さまの御札を
新しいものへと気もそぞろで歩き、
お社の前にて、
腰を下ろして座りこんだのです。
新潟の神さまには、随分と長い間お世話になったものだと。
後どのくらいまでご縁を頂けるのかな?
そんな事を考えていました。