歯ぎしりについて


人は日常の暮らしのなかで、

自覚がなくても、

ストレスに曝されているのです。

例えば、

親が幼い我が子と楽しい時間を共にしようと、

遊園地へと出かけたり、

ショッピングモールへと足を運んだり。

其れは快感、不快感と云う分類で振り分ければ、

快感の範疇に入ります。

その様な正の作用であっても、

良い意味での正常ではない訳で、

ある意味、

其れは良いストレスと申せましょう。

ですから、

悪い意味でのストレス状態では、

心と身体に大きな負荷がかかるのです。

人は高度な感情を持つ生物です。

ストレスを自分自身で軽減する手当てが、

歯ぎしりなのです。

お金を遣わなくても、

何処かで発散するのでもなく、

自分自身で手軽にストレスを発散する手立てが、

歯ぎしりなのです。

クドイようですが、

ストレスとは、

悪い意味での負荷だけではなく、

快感を覚えることも良い負荷だと、

認識して下さい。

ストレス発散の手立てである歯ぎしりを防止するなど

自然の営みを阻害する愚かな行為です。

歯ぎしりを防止する手立てを行ったならば、

他の何処かに、

障害を惹き起こすでしょう。

しかし、

歯ぎしりは、

歯にとっては、

大変な迷惑な負荷でもあります。

歯科医学の最後の仕事は、

歯ぎしりとの関わりになるでしょう。

マウスピースは、

あくまでも砂上の楼閣でしかありませんが、

場合によっては、

診断の大きな助けにもなりますし、

治療の一助にもなります。

しかし、

万能ではありません。

私自身も、

歯ぎしりと上手く付き合う歯科治療を行っているのが

今の能力の限界です。

私の現役の間には解決できないかもしれません。

それが歯ぎしりです。