街の匂い


新潟の住まいを引き払ったので、

大学出勤時の宿を探そうと、

インターネットで検索していました。

新潟市のホテルなどは、ほぼ熟知しているのですが、

こうして改めてホテルのホームページを観てみると、

今までで在れば、

我が街であった新潟が、

なんとなく余所の街になった様な気がして、

少々淋しい気持ちになりました。

私の好きな萬代橋、

橋のたもとの信濃川沿いのやすらぎ堤をそぞろ歩き、

柾谷小路から本町市場を抜けて、

人形横丁を過ぎ、

古町から西堀通り、

そして異人館通りの坂の小径をゆっくりと登り、

振り返って木立の間から見える新潟市の旧市街の趣は、

これも私の好きな神戸と似た匂いを感じます。

新潟市には大地と風の香り、

神戸には青春期の匂いのようなモノを感じます。

今回は私の特別講演が終わるととんぼ返りで上京しなければなりません。

前日の日曜日に、

ゆっくりと街を再び味わいたいと楽しみにしています。

最近、関西圏での行動が多くなりました。

アジアからの旅行者の影響でしょうか?

宿がとれないこともあるのです。

また、費用も高騰し、

ホテルの雰囲気も中国の方々が多くなったので、

足が遠退くようになったのです。

大阪はリッツ・カールトンが贔屓でしたが、

いつもは車寄せにて窓を開けると、

「三枝先生、お待ちしておりました。お車は玄関前にお止めさせて頂きますので」

ドアマンも、

「三枝先生、お帰りなさい」

フロントでも然り。

「お帰りなさい三枝先生、お部屋はいつものコーナーのを」

それがある時から、

車はワザワザ地下駐車場へと自分で移動と云うシステム?に代わり、

初対面のような決まりごとの流れ作業にてチェックイン業務を

私は立ったままで眺めています。

後方がなにやら騒がしいので振り返って観れば、

仰け反りました。

ロビーのど真ん中に鎮座した大きな花立の丸テーブルの上に、

花瓶の脇にテーブルをまな板代わりに果物をナイフで切り分けて

大勢で食べる中国からの観光客たち。

私がこのホテルから遠ざかって随分と経ちます。

といって良いホテルがありません。

そんなこんなで、神戸にも大阪にも近くて便利な芦屋に住まいを

手当てしたのです。

現状は多忙にて好きな散策は出来ていません。

今度は夙川辺りを小探検しようと思っています。

趣ある街って良いですね。