超音波歯ブラシへの【警告】


歯からプラークを取り除く手段の基本は

毎日の【歯磨き】にあることは間違いありません。

私の診療所では、

患者さんへの歯磨きレクチャーは【基本のき】となっています。

バトラー#211の歯ブラシを基本型として、

患者さんの熟練度合いや歯茎や歯並びから、

状況に応じた歯ブラシを処方しています。

私にとっての歯ブラシは、

内科医における薬の処方と同じくらい重要なのです。

私の患者さんの口腔内の清潔度は、

しばしば、

見学にお越しになられた歯科医師や、

普段ご一緒に仕事をさせて頂いている歯科技工士の方々から、

本当に綺麗で清潔だとお褒めの言葉を頂戴します。

コレは私のスタッフである歯科衛生士と患者さんの

共同作業の賜物ゆえと、

私はとても喜んでいます。

ただし、

【超音波歯ブラシ】だけは気をつけて処方せねばなりません。

特にセラミック修復なりインプラントの患者さんへは、

この使用は避けるべきと考えています。

理由ですか?

何でもかんでも【超音波歯ブラシ】と云う歯科医師は、

阿呆の骨頂だと判断せざるを得ませんね。

私は実験的に確認したのです。

超音波の振動にて、

インプラント体の上のアバットメントスクリューなり、

リテンションスクリューが緩みます。

また、抜歯された歯にセラミッククラウンを接着した際の

接着材が超音波の振動によって崩壊します。

インプラントのネジへの応力の原因や、

折角、丁寧に施されたクラウン修復のセメントへの悪影響の根に、

超音波振動はなり得るのです。

実験的証明する以前に、

考えれば直ぐに判るようなモンなのですが、

余りにも超音波歯ブラシへの信仰強い現在の歯科医師への

警告のために実験したのです。

処置されていない天然歯に対しては、

超音波歯ブラシの効果は絶大です。

が、

コレも歯ブラシ部分は1カ月に1度の頻度で

交換するべきです。

ナイロンの弾性が失われますし、

細菌の付着は避けられませんので。

となると結構と手間で高くつきます。

また、日本人は起用な手先を持つ人種です。

ご自身の大切な歯ですから、

普通の歯ブラシを丁寧にお使い頂いての

プラークコントロールに励んで頂きたいと

私は、そう考えています。