何故わかるン?


今日も新しい入れ歯を

掌の上から

患者さんに差し出しました。

一通りの調整が終わって、

ー  先生はインプラントの先生なのに、

何故、私の言いたい事がわかるン?ー

と。

さぁ?どうしてでしょうかね?

歯や歯茎がモノ言いますから。

と、お応えする私。

ー   もう今まで他では言っても言っても解ってくれなくて、

で、

最後はコッチが根負けしてたんです   ー

私らの業界に【生涯研修】という言葉が在ります。

思うに、

これは学会や研修会に参加する事ではありません。

無論、それはそれで刺激になるでしょうから

大切な生涯研修の極々一部でしょう。

私の生涯研修とは、

普遍な日常の過ごし方だと考えています。

繊細な眼で、

謙虚な心で、

感謝の気持ちで、

丁寧な丁寧な手当てに終始する。

そこから学ぶ処が大きいのです。

治療から得た結果から、

工夫に工夫を重ねて、

より丁寧な方法を探す事。

仕事の合間には、

手先の鍛錬と併せて、

手先の手当てに励み、

眼と脳髄は、

海外からの研究論文に向ける事。

他人の臨床報告には意識して眼を反らす事。

それが華麗な治療に見えても、

10000に1つの成功からしれませんし、

その10年先の姿は見えませんから。

古典的な治療の予後の方が、

最新治療よりも宝の山で在ることに、

気づいて欲しいのです。

その様な基礎体力の強化の上で、

患者さんの口の中に、

勉強の問と答えが、

ミッシリ詰まっている事に、

早く早く気づいて欲しいのです。

若い歯科医師の先生方が、

大勢、私の診療所を訪ねて下さいます。

どうぞ、

生涯研修について、

私らの身近な処が、

生涯研修そのものである事に、

気づいて欲しいのです。