小学6年の娘の中学進学に際して、
このところ学校見学に行く機会が増えました。
私は私学の教育を信じる者です。
それは私学には、建学の精神があるからです。
また、私は受験競争を否定的な眼で観ています。
人格形成の大切な少年、少女期に、
詰め込み教育は弊害しかないと思うのです。
成人となった長女が大学受験の際の
受験校選びと学部選択を観て、
親の口出しする時期としては遅きに失したので、
黙っていましたが、
情けない想いがしたのです。
早稲田、慶応、上智、東京理科大学等々。
スーパーエリート校ばかり。
学部は、ほぼ同系の学部を一校につき複数受験という始末。
これらの大学の特色は大きく違うと、
私は認識しています。
また複数学部の受験は、私をとても驚かせました。
一体、大学で何が学びたいのか?
しかし、これが今の普通なのだそうです。
兎に角、偏差値の高い大学へ入ることが重要な目的なんだそうです。
私は17の歳で、歯科医を生涯の職業として選びました。
早すぎる選択かどうかは、
それが正しい時期での選択であったかは、
今では違う考えを持っています。
専門職への道は、険しい人生を歩まねばなりません。
アメリカのように一旦は普通の教養学部を卒業し、
前青年期を経験した観点を体得してから、
専門職への大学へ進むというシステムを
私は支持しています。
一般教養の足腰を鍛えてからの
専門職への進学が望ましいと考えています。
人生は長いのですから。
若い時期に、腰を据えて机に向かうことはとても大切な
忍耐力を生むからです。
創造力は、
その前の段階、即ち学童期に周囲環境の援助で、
育てることが大切だと思います。
そういった意味で、私は中学、高校の選択は
子供の将来への大切な第一歩だと考えています。
ある中学での出来事です。
管理職の教員の先生が仰いました。
離婚率の高さを鑑みると、女性の自立が重要である。
私の周囲には大勢のキャリアウーマンがいらっしゃいます。
生き生きと仕事に全エネルギーを投入されておられる姿を
凛々しく感じて、応援したくなる想いです。
が、
それと同じ、嫌、それ以上のストレスをに
彼女達が戦っているのも知っています。
女性の自立ってなんなのだろう。
私は大いに考える処ありの日々を過ごしています。
仕事とは死ぬくらい厳しいモノです。
食べる手段としての仕事。
余暇の元手を得るための仕事。
私は子達に、その様な仕事観を持って欲しくはありません。
一生を賭けるに値する仕事を見つけて欲しいと思います。
それは社会的立場の高さや報酬の高さが決して尊いことではない、
という事にも気づいて欲しいのです。
どんな成功者でも、
下積みの苦しい、貧しい時期を経験しています。
それに耐えられる原動力は、
この仕事に就きたかったという感謝です。
感謝と度胸無くして、
仕事など出来ません。
楽しい人生、楽しい毎日?
バラエティー番組は楽しいですが、
観て楽しんでいる側は単なる阿呆です。
バラエティー番組で演じ、
そのタレント生活を長期間維持する芸人の側は
それは血を吐くような努力の日々を過ごしていることでしょう。
面面だけを観て、判断して欲しくありません。
そのために、
私は前青年期には、
私学の建学の精神のシッカリした学舎で、
命よりも大切な我が子を
周囲環境のなかで、
のびのび、かつ、厳しく
過ごして欲しいと、
それが私の父たる責務だと思っているのです。