今日、明日と
高松で仕事をして
明後日から
再び、
新潟である。
当然の事ながら
末の娘とマリリンが
私の伴となる。
上京した折りに
靖国神社を
富士見坂を降り
外壕の石垣が見え掛かる頃に
顕れる
ガラス張りのそびえ立つ
日本歯科大学の校舎には
私は特別な
感慨は持たぬ。
が、
日本海を背後に控えし浜浦の
松の並木の中の
チョコレート色の
新潟校舎を見上げた時に
私は
特別な感慨を覚えるのである。
訳は判らぬ。
が、私の中に流れる血が
歯科への情熱を
再沸騰させるのである。
故に、
私は好んで
此の果ての彼の地に
赴くのである。
歯科の仕事は
自己顕示欲の発散の場ではない。
むしろ、其の逆に
自己を封じ込める気質のものである。
越後の寒風に身を曝した時に
私は、
自身を洗い流しているのやもしれぬ。