私の宝


 先のブログに於いて
患者さんとの別れの場での
話を書いた。

 と云うのは
先日、
末の娘と
スーパーへ買い物に
出掛けておった際に
と或、お電話を頂いた。

 医師である初老の男性からの電話であった。

 此の方の奥さまと
お子さんが私の患者さんである。

 此の医師である男性は
癌で闘病の最中である事は
奥方から聞かされていた。

 ー 先生、家内と倅が常日頃ありがとうございます。
     此れからも見守って下さい! ー

 励まして、
即座に奥方に電話を代わって貰った。

 ー 〇〇さん!よして下さい!
     俺も歳だ。
        涙腺が緩んでるんだから! ー

 最後まで諦めない様に
一生懸命、話をして
男性医師には
医大に通われている御子息が
医者になるのを観ないで
どうするんだ!
と伝えた。

 私は歯医者になった時に
本当に嬉しかった。

 腕を磨くは勿論の事ながら
患者さんと共に
生きていく歯科医師に成ろうと
思った日の事が
忘れられない。

 噛めない、
困った、困ったを
噛める様にするのは
専門職として
当たり前のことである。

 私は患者さんとの縁を
何よりも大切にしたいと思っている。

私の宝は患者さんである。