犬という同志


最初の家人と所帯を持った時に、

二人で黒い柴犬を飼いました。

私の博士論文提出前の多忙な頃でしたし、

当時の私は、

モテるのが【芸人にとっての芸の肥やし】と、

当時は時代背景は、

その辺に寛容でしたので、

家に帰るのは週に数えるほどだったのです。

最近、落語家の不倫での明るい釈明会見があったようですが、

当時は、そんなノリだったからかもと、

責任転嫁ですが。

直ぐ長女が生まれ、

開業し、

慌ただしい暮らしを余儀なくされた事から、

私は、この【クロ】と名付けた柴犬との時間を振り返って、

ありがとうと感謝する気持ちはあっても、

大切に接してやったと云うより、

もっと可愛がってやれば良かったと悔やんでいます。

この最初の家庭も壊れ、

後から来たラブラドールリトリバーのラブリーに対しても

仕事に全力投球の時代でしたので、

結局は同じ始末と云う情けない私。

縁あって2回目の所帯を持ちました。

犬好きな女であったので、

我が家には一気に犬の家族が増えました。

その様な中、

高松市へ越して間もない頃に

マンションの裏庭で拾ったネコの【にゃん太】も

21歳の大往生を遂げ、

ついでラブリーも、

私の帰宅を玄関脇にて待ちながら眠るように

14歳で旅立ちました。

コレは私には相当、精神的に参りました。

ペットロス症候群というんでしょうか?

私はつっかえ棒が無くなりました。

娘たちに常に囲まれていましたので、

気はまぎれましたが。

男の癖に、

院長室でズッと泣いて過ごしていました。

で、

此れでは私は心が潰れてしまうと、

今のマリリンを家に迎えたのです。

現実に、

マリリンしか私には近寄ってくれません。

父は孤独な可愛そうな生きもんですね。

普段の生活は当たり前だと思って、

煩い昔人間の私はむしろ忌々しい存在でしかないのでしょうね。

片時も離れないマリリンが居てくれて良かったと。

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そのマリリンの顔に、

今まで大切にしてやらなかった【クロ】【ラブリー】の顔を重ねて、

身体じゅうを撫でまわっているのが、

今の私の普段の生活です。