娘たちとの触れ合いから


昨夜は比較的、帰宅が遅くなりました。

娘たちが既に犬の世話も終わらせてくれていました。

あぁ、大きくなったもんだと、独り溜め息をついて‥と、安堵していた矢先、

小学校3年生の娘が、徐に塾でのテスト答案を恐る恐る手渡してきたのです。

算数5点!

100点満点なかのです。

雷を落とされると覚悟したる娘の回避的な行動の現れが、犬たちのお世話なのでしょう。

この様な場合に私は、娘を叱ることはありませんし、

テストの点数の如何にて落ち込んだり、腹がたつこともありません。

私には2つ上の姉がおります。

会計事務所を亭主と東北にて営んでいます。

私のような職人堅気の人間には、姉夫婦のような緻密で理論だてた思考回路は理解出来ません。

ですから、性差や住居地、職業的なモノからくる価値観の違いなどで、

ごくたまに電話にて話を少々する程度の付き合いです。

この姉は津田塾大学の卒業です。

で、私が幼い頃に夜中にトイレで目を覚まし、暗い長い廊下を眠り眼で歩いていたら、

畳屋の襖から微かに漏れる灯りに

???

不審に想い、襖の隙間からそーと除きこんで聞き耳をたてたのです。

恐らく今の私の娘と同じ年頃であったのでしょう。

あまりにも学校の成績が悪く、もしかしたら知恵遅れなのかもしれないと、

心傷めた両親の深夜における悲痛な会話の最中でありました。

が、この姉は中学2年の頃から勉学に勤しみ出して、

親としては最終的には安堵するに至ったようです。

これに近い例を沢山観てきましたし、その逆もそうです。

人生は勝ちと負けの繰り返しです。

また、人には其々のスピードがあります。

私はこの娘に対しては、逆に頼もしく感じてきました。

どの娘よりも明るく、優しい、気の利く娘です。

あれだけ勉学が遅れているのですから、普通であれば塾に行くことを拒むでしょう。

が、この娘は塾が大好きです。

いつもニコニコして塾へと通い、

ニコニコ顔で帰ってきます。

この辺りの思考回路が私には全く理解不能ですが、

ある意味、私は立派だと感心しています。

昨夜、親友である大学の同級生と電話で長話に興じました。

学生時代の私らなんて、それは他人に偉そうな事を言えた義理ではありません。

が、彼は大学で解剖学の教授になり、私も其なりに食べていけています。

彼は私を羨ましい人生だと云い、

私は彼を羨ましい人生だと云い。

が、どちらも自分の性格を鑑みれば、彼は開業医に不向きであり、

私は基礎医学の学者には不向きであることを悟っているのです。

娘たちの、将来の歩みし道はまったく判りませんが、

神様、仏様が、キチンと道をひいてくださるだろうと位に考えています。