毎日の診療で、仮の歯や最終歯をセメントにてくっ付けています。
判りやすいようにセメントと申し上げていますが、
専門用語では、
仮留め用のモノを仮着用セメントと、
最終的に出来上がった最終歯を歯とキチンとくっ付けるために使うモノを、合着用セメントと呼んでいます。
それぞれに、何十種類もの製品が共されています。
ドンドンと材料学的に進歩し、
より強く歯とくっついて、より材料劣化がゆっくりと、などなど
ひと昔前からは考えられない程になりました。
私は新たな材料を自分の診療所に採用するに当たって、様々な試験を加え検討します。
で、結局は、それぞれの使い方を変えることだと。
所詮は、繁用の工業製品です。
丁寧な歯科医の手によって為された仕事の補助でしかありません。
商品のカタログの表を飾るキャッチコピーにばかり、目を向けるのは愚かな行為です。
同じように、こうしたから大丈夫!ああしたから安全!といった気持ちの持ちようは
大きな落とし穴が待っているかもしれません。
慎重に!慎重に!の繰り返しと、
疑い深い程の警戒心で治療に臨むのが大切な心構えであると思っています。