昨日の手術は、久々にエキサイティングなモノでした。
終わったら、手術着が汗でベシャベシャになっていました。
上顎洞底挙上手術です。
この手術自体は、別段稀な手術ではありません。
私の診療所では、日常的に行われている手術です。
が、昨日の手術は、特別な症例でした。
野生の勘ってヤツでしょうか?
この症例は難しいぞ!と。
私にしてみれば珍しく、CTを撮影しました。
私は歯科用CTの撮影精度をまったく信用していません。
歯科用CTは、あくまでもスクリーニング程度のモノだと考えています。
この症例は医科用CTにて撮影しました。
で、これも私にしてみれば珍しく、3D画像に構築して、
これまた珍しく、立体的模型を3Dプリンターのような精密機械で造って、
手術前に、念には念をいれての症例でした。
検査を進めれば進める程に、この症例の難しさが実感します。
野生の勘の確かさを実感しながら手術に挑みました。
超ウルトラ難症例です。
手術前には、頬を手で叩いて、四股を踏んで挑みました。
こういう手術でも、私は部分麻酔です。
患者さんを眠らせる麻酔は、殆んどしません。
患者さんが恐がらないか?ってですか?
手術に関する様々なリスクはすべて私はお伝えしています。
リスクを回避できる手当てはすべて、私は採っています。
私の手当て、対応、態度すべてが、患者さんへの最良の鎮静剤だと思っています。
麻酔注射を開始してから、縫い終わるまで凡そ一時間半程要しました。
通常の上顎洞底挙上手術の倍の時間を要しました。
骨の移植材料は、通常の4倍程度。
上顎洞の形は複雑極まりないモノでした。
手術前の検査が甘ければ、上手く出来ない手術だったと思います。
患者さんは、30代前半の男性でした。