高松市は又もや豪雨である。
昼休みに外食して
診療所へ帰ると、
歯科衛生士の宮田君が、
雑誌を読みつつ
昼食を採っていた。
或人からの頂きものの雑誌であった。
【もう騙されない 歯医者の裏側】
と、題された、
週刊ダイヤモンドであった。
興味深かく拝見させて頂いた。
で、感想はと云えば、
当たらずとも外れとも云えず、
であった。
が、別段、
私は金儲けがしたくて
歯科医になった訳ではない。
嫌みではないが、
私は裕福な商家の
生まれ、育ちである。
家業を継いだ方が
豊かな暮らしが出来た。
ズーと
歯の魅力にとりつかれ
今に至って生きている。
歯科医が増えようが
私の仕事が無くなる訳ではない。
そもそも他人の職業を
収入ありきで
云々するなど
浅ましい行いである。
先の東北震災の年は
私の診療所は悲惨な目に遭った。
関東地方の患者さんが
消えてしまったのだ。
当然、売り上げは激減するは
手持ちぶさたで
退屈至極であった。
余りの馬鹿さと価値観の違いで
辞めて貰ったが、
震災以降に勤務した従業員は
金を稼ぐのが貴い行いと
信じて今までを
生きて来たのであろう!
其の時分の私は
此のような
医療の心をも判らぬ素人から
馬鹿にされる位に
暇であった。
今思えば
人生の充電期間であったと思っている。
但し、いくら収入が激減したとは云へ、
私は治療の手を抜いた事はない。
時間があるなら在ったで
自身の治療を再評価し、
じっくりと
症例と向かい合う事が出来た。
私は他人の為に
歯の仕事に就いたのではない。
私は私の遣りたい仕事をしているだけでる。
私の母校の日本歯科大学は
良い教育を実践している。
教官達も
世間の他人は
信じて貰えない位の
薄給で
将来の歯科医の教育に能っている。
日本歯科大学は
国家試験の予備校ではない。
マスコミも
興味本位で書くも良かろう。
が、
ペンは何よりも大きな力を持つ。
国家国民の為の
歯科100年の実績を
破壊する行いは
マスコミの
心の持ちようにも
懸かっている。
但し、悪い歯医者が
増えたのも事実である。